上司への不満を解決する方法 ~研修での部下からの質問~
今年度の新人研修がスタートしました。
昨年までとの違いが浮き彫りになりました。
【今年の新人の特徴】
1.明るい雰囲気がある
2.会話好きで仲が良い
3.積極性があり質問が多い
4.褒めると喜ぶ(表情に出す)
5.褒められた人の真似をする傾向がある
1.明るい雰囲気
3社の研修が終わりましたが、上記に挙げた同様の傾向がありました。昨年はコロナの真っただ中、人が集まる場所に対する警戒感と、仕事をしていく中での不安感からでしょうか、おとなしくて消極的な姿が印象的でした。ところが今年は打って変わって、明るくて積極的な雰囲気がありました。マスク越しでも明るい表情が伝わり、目が合うと会釈もしてくれます。廊下などで声をかけると、ととても明るく返事をしてくれます。研修中も声のトーンが明るく感じます。
2.会話好きで仲が良い
特に昨年は、研修の休憩中に仲間と会話をする光景がほとんど見られませんでした。会話をしていても、同じ学校の卒業生同士であることが多くありました。ところが今年はどうでしょう、1人で黙って休憩時間を過ごしている人はほとんど見られませんでした。休憩中の会話が弾み、笑い声も多くありました。昨年も今年も「休憩中は密にならないよう、大声をださないように」という注意事項は同じだったにも関わらずです。
3.積極性があり質問が多い
昨年まで新人研修では質問があまり出ることはありませんでした。どちらかというと「これで大丈夫ですか?」という確認程度で、全てこちらからの指導に対して従順にしたがって理解もしていたようです。ところがどうでしょう、今年は質問が多くありました。しかも、休憩中に「すみません教えてください!」と、次々とやってくるではありませんか。「スーツの前ボタンは座っているときは外してもいいですか?」「敬語はこういう言い方でどうでしょうか?」「飲み会では最初のビールを拒否しても大丈夫ですか?」等々。少しでも不安を解消しようと積極的な質問が多くありました。
また、ゴミの片付け、荷物の整理、書類の配布など積極的に自ら動く光景をみました。誰かひとりがやると真似をする光景もありました。
4.褒めると喜ぶ(表情に出す)
昨年までは、研修中に「いい質問ですね!」や「片付けありがとう!」と伝えても照れる人はいるものの喜ぶ人はあまり見かけませんでした。ところが今年は、照れるどころか「ありがとうございます」と表情に出して喜んでくれます。特に、休憩中に質問があったことを、講義が始まってから「先ほど休憩中に〇〇さんから質問がありました。とてもいいことです」と全体に共有すると、本人はとても喜んだ表情をして私に向かって笑顔でお礼の会釈をしていました。
5.褒められた人の真似をする傾向がある
さて、今年の研修での一番の気づきは、「褒められた人の真似をする」です。3.にありました、積極的な質問の都度、「いい質問です」「先ほど休憩中に質問がありました」と全体に伝えると、次の休憩にも次々と質問をする人が出てきました。片付けをしてくれた人を名指して全体に褒めると、次から他の人も真似をしてやりだします。
一番良かったのは、ペアワークで話し合いをしているとき、そのペアでは答えが出なかったのでしょう、その隣のペアの人に助けを求めていました。その光景を続けて見ていると、助言をもらったペアに「ありがとうございます」ときちんとお礼の挨拶をして終わったのです。この後すぐに全体に対し「今、素晴らしい光景を見ました」と褒めたのです。すると本人はお辞儀をして喜び、次のペアワークから真似する人が増えていきました。本来ならば、別のペア同士で雑談に発展しかねないところですが、ちゃんとケジメを付けたのです。「これこそビジネスマナーですね」と褒めました。
これまでお伝えした今年の新人の特徴ですが、おそらくコロナも落ち着き、閉塞感からだ脱出した気持ちがあるのか、人と出会える場や研修で同じ切磋琢磨できる場が楽しいのでしょう。物怖じする必要がないと、自然に気持ちが動いていると思われます。もちろん採用の際の精度も上がったこともあるでしょう。ミレニアム世代からZ世代に代わってきて、あきらかに個人主義から仲間意識が強くなってきたようにも見えます。自分らしさを表現できる世代に代わってきたのかも知れません。
褒めて伸ばすことの意味
今回のことで、新しい新人研修のあり方を発見しました。それは「褒めると真似をする」人が増えることです。前述の例でわかるように、良いことをした人を褒めると、それを真似することが増えていくのです。今までの新人研修では、「身だしなみが乱れていると注意する」「挨拶ができないと注意する」「姿勢が悪いと注意する」と、これらから分かるように「注意する」ことが大半でした。これでは人は成長しません。
これからの研修では、
- 身だしなみが良い人を褒めて、周りに輪を広げていく
- 挨拶が上手くできた人を褒めて、真似する人を増やしていく
- 姿勢がよい人を褒めて、自然に周りが真似をしていく
このようなやり方をすると、自主性が生まれ一人ひとりのやり方や個性を尊重しながら育てることができるのではないでしょうか。いまさらながらですが、改めて指導のやり方を見直すきっかけになりました。一人ひとりを個人として尊重し、良いところを伸ばしていい意味での刺激を与えることがZ世代には受け入れられやすいのかも知れません。
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