社員がついてこない理由はこれだった!経営者と社員の壁を取り払う方法

小本紀子

小本紀子

テーマ:会社経営と人材問題

経営者と社員。雇用者と被雇用者といった立場の違いはあるものの、その間に壁をつくってしまっては企業として一丸になることができず、大きな成果を出すことは難しくなります。

もちろん対等の立場にならなければいけないということではありませんが、経営者側から歩み寄っていく姿勢がなければ、簡単に壁を取り払うことはできません。

そこで今回は社員のモチベーション低下につながるリスクもある、経営者と社員の壁を取り払う方法について考えていきます。

社員からみた「経営者」

実は経営者側からは、社員との間に壁があることに気づいていないといったケースは珍しくありません。

なぜなら基本的に社員は被雇用者ですから、雇用者である経営者に対して反抗的な態度は取りません。どんなに忙しい時であろうと経営者からの呼び出しを断ることもないでしょう。そのため経営者側から見ると、社員とコミュニケーションが取れていると勘違いしてしまうのです。

しかし経営者が思う社員との関係性が、社員から見た経営者との関係性と一致することはまずないといっても過言ではないでしょう。当然ながら社員が100人いれば100人なりの考え方があり、100人なりの経営者像があります。

例えば、仕事が忙しい時に経営者に呼び出され新たな仕事を依頼された場合、喜びを感じて頑張ろうと思う社員もいれば、なぜ忙しい時期に新たに仕事を振ってくるのだろうと思う社員もいます。また自分としては全員に同じ態度で接しているつもりでも、それを優しく感じる社員もいれば、厳しいと感じる社員もいるでしょう。

経営者は常に企業倒産のリスクや、全社員の生活を背負っているというプレッシャーを抱えています。そして自分としては社員によかれと思って行っている言動ですが、すべての社員がそれを理解しているとは限りません。社員が見た「経営者」はその社員によって大きく違うということを知らなくてはならないのです。

社員がついてこない理由

経営者にどんなに力があったとしても、一人だけで大きな成果を上げることは簡単ではありません。そういった意味で社員は、経営者、企業にとって、売上や社会貢献といった目標を達成するために欠かすことのできない貴重な戦力であり、財産です。

企業として売上を上げるためには、経営者と社員が同じ方向を向き、ビジョンを共有させる必要があります。しかし経営者と社員の間に壁があるようでは、経営者が描くビジョンを社員が理解することはできません。そういった状況では経営者についていこうという社員も出てこないでしょう。

そこで重要なことは、なぜ社員がついてこないのかを知ることです。まずはその理由を知ることが、経営者と社員の壁を取り払うための第一歩となります。

経営者に社員がついてこない理由はさまざまですが、主に次の3点が挙げられます。

1.経営者が社員に対して自社のビジョンを伝えきれていない

社員が自社のビジョンを理解していなければ、当然ながら経営者と同じ方向を見ることはできません。社員との意思統一が図れていないと感じたら、経営者は社員に対して自分のビジョンが伝わっているのかどうかを改めて見直す必要があります。

2.業績に見合った報酬を与えていない

企業の利益は設備や工場の先行投資や、将来的な運転資金として内部留保しておくこともあるため、必ずしもすべて社員に還元できるわけではありません。しかしだからといって、共に働いている社員に対し、何にもしないというものでは当然、モチベーションも上がりません。

3.社員の意見に耳を傾けていない

社員も仕事である以上、金銭的な評価が一番であることが多いですが、それと同等に重要だと考えるのが、自分の企画、アイディアを聞き入れてくれるかどうかです。指示系統がすべてトップダウンで社員の意見には一切、耳を貸さないという経営者にはやりがいを感じられず、ついていきたいとは思えないでしょう。また経営者にとって肯定的な意見は聞くが否定的なものは聞き入れないというのも同様です。

社員をやる気にさせるために経営者がとるべき行動とは

経営者と社員の壁を取り払い、社員にやる気を出させるために経営者はどういった行動を取ればいいのでしょう。もちろん社員がついてこない理由を知ることが一番ですが、そのうえで経営者としてやるべきことは次の2点です。

1.社員とコミュニケーションを取り、互いの理解を進める

社員のことを知ることも重要ですが、それと同時に経営者のことを社員に知ってもらうことも非常に重要です。そのためには通り一辺倒の会話だけではなく、例えば企業として成果発表イベントを企画する、社内SNSを立ち上げ意見の交換を行うといった目に見える形でのコミュニケーションを行う必要があります。その中で互いの理解を深め、企業のビジョンを伝えていくようにします。

2.金銭的な評価を行う

これは経営者のとっては簡単なことではありませんが、例えば大きな契約を取り付けた。新商品がヒットしたといった特別な時に臨時報酬を与えるといったことだけでも、社員のモチベーションは大きく変わります。

精神面のコミュニケーションと金銭面での評価。この2つを同時に行うことが、経営者と社員の壁を取り払い、社員のモチベーションを上げるための施策といえるでしょう。

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小本紀子
専門家

小本紀子(公認心理師)

紀凛株式会社

経営上の課題、トラブル、悩み。カウンセリングによって経営者自身の心と向き合い考えグセ・行動グセを分析。心のモチベーションを回復させて創造力・問題解決力を引き出し、ビジネスの成長を支える。

小本紀子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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