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山田紀子

経営者のための心のコンサルタント

山田紀子(やまだのりこ)

紀凛株式会社

コラム

中小企業経営者が抱える「人材」の悩みベスト5

会社経営と人材問題

2018年6月13日

中小企業の経営者が企業を経営していくうえで、一番の課題といえば人材に関するものではないでしょうか。

実際、2017年3月に東京商工会議所中小企業委員会が発表した「中小企業の経営課題に関するアンケート」の調査結果によると、「売上拡大に取り組む上での課題について」という質問に対し、73.8%が「人材の不足」と回答しています。

そこで今回は中小企業経営者が抱える人材に関する悩みの中でも特に喫緊の課題となっているものをご紹介しつつ、その解決策について考えていきます。

「優秀な人材集め」と「定着しない社員」

世界に類を見ないスピードで進む少子高齢化。
2017年5月31日にみずほ総合研究所が発表したデータによると、2016年に6,648万人であった労働力人口は、2065年には4,000万人弱と約40%減少すると予測しています(男女別、年齢5歳階級別の労働力率を同じとした場合)。

ただでさえ労働力人口の減少が避けられない日本において、その傾向が特に顕著なのは、地方であり、もっとも影響を受けるのはその地方にある中小企業です。

大都市に比べ、より早いスピードで人口減少が進んでいるうえ、優秀な学生の多くは大都市の大学へ進学し、そのままそこで就職をします。そのため地方には優秀な学生の数が限られていて、その中で他社との奪い合いをしなければいけません。

こうした中で優秀な人材を確保するためには、労働環境の改善がもっとも重要となります。
高い給与を与えることも人材集めに効果があることは間違いありません。しかしそれよりもまず残業時間の削減や有給休暇取得率の向上、福利厚生の充実など現在、そこで働く社員の満足度を上げることが重要であり、そうなれば自然と学生にも伝わっていき、結果として人材獲得コストを抑えることにもつながります。

労働環境の改善は、社員の定着においても大きな効果を発揮します。
ただ残業時間の削減など部門によっては実現が難しいでしょう。ここで経営者が取るべき行動は、顧客よりも社員を優先するということです。顧客が大切であることはもちろんですが、顧客を優先しすぎれば必ず社員にしわ寄せがきます。

これを回避するには、営業時間終了と同時に電話受付も終了する。営業時間を超えるような顧客の要望は受け入れないなど大胆な施策が必要です。

顧客よりも社員を大切にするという経営者の姿勢は、社員のモチベーションアップにもつながるうえ、信頼関係も強化され、社員の定着率アップも期待できるようになります。

「人員不足と残業問題」と「女性社員の確保」

人員不足に関して、年々、労働力人口が減っていく現状では、どんなに優秀な人材を確保し、社員の定着率が上がったとしても、すぐに解決というわけにはいきません。そして人員が不足すれば、どうしても残業も増えることになりがちです。

また女性社員は結婚、出産、育児、介護など男性社員に比べ、早期で退職してしまう可能性が高いといえます。

そこでこれらの課題を解決する方法を3つご紹介します。

1.業務効率化の推進

例えばこれまで手動で行っていた業務を自動化する。社内文書のペーパーレス化を行う。社内SNSなどを導入し、業務の見える化を進めるなど業務の効率化を進めることで、小人数でも短時間で業務を行えるようにします。

2.ユーティリティ社員の育成

業務の効率化を進めると同時に、余裕ができた社員をユーティリティープレイヤーに育成することも、人員不足や残業問題の解決に貢献します。スペシャリストももちろん重要ですが、スペシャリストばかりでは、有給休暇の取得も難しくなり、結果として労働環境の悪化にもつながります。誰かが休んでもほかの誰かがすぐカバーできる体制を整えることがポイントです。

3.リモートワークの導入

会社に出社することなく、自宅でも業務を行えるようにすることで、女性社員が出産、育児などで退職することなく、働けるようになります。またリモートワークの導入は、女性社員の確保だけではなく、例えば会社がある場所から離れた地方の優秀な社員の確保にも有効です。これにより、地方の会社であっても全国の優秀な人材を確保できるチャンスも広がります。

「技術の継承」

中小企業経営者が抱える人材の悩みとして、技術の継承を行いにくくなっているという点もあげられます。

現在、大企業でさえも景気の動向によって毎年の新入社員採用枠が減少するケースもある中、中小企業では年によっては採用ゼロということも珍しくありません。そうした中で自社の技術を継承してくことは非常に困難になりつつあります。

ベテラン社員と若手社員の間で効率的に技術の継承を行っていくためのポイントは、ベテランの暗黙知をフォーマットや動画など形式知に変えることです。

技術の内容によっては、マンツーマンで行わなければならない技術もありますが、それ以外の技術であれば、ベテラン社員が持っている技術、知見をうまく集約し、共有する形をつくることで、技術の継承を進めていくことが可能になります。

もちろん、すべての課題がスムーズに解決するということはないでしょう。
しかし経営者自らが現状を変えていくという姿勢をまず社員に見せることで、状況を変えるきっかけをつくることは可能です。人材の課題を解決するためには、経営者自らが率先して動いていくことをおすすめします。

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