トルコ地震から10日

西山広高

西山広高

テーマ:時事コラム



トルコで発生した大地震。マグニチュード7以上の地震が立て続けに2度発生し多くの建物が倒壊。10日が経過した今も生存者が発見されているようですが、4万人を超える人命が失われ、5万人に迫るともいわれています。

お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々にはお見舞い申し上げます。

東日本大震災は死者・行方不明者を合わせ、1.8万人を超える大災害でした。原発事故を引き起こしたことで避難された方なども多く、単純に比較することはできませんが、今回のトルコ地震も未曽有の大災害です。

さまざまな映像が流れる中、気になったのは「なぜあんなにも多くの建物が倒壊してしまったのか」ということ。

日本は地震多発国であること日本人ならば誰しも知るところです。これは、3つのプレートがぶつかり合うところであることが、大きな要因ですが、トルコも複数のプレートがぶつかり合あう地震多発国です。

当然、建物の耐震基準も設けられているにもかかわらず、多くの建物が倒壊しました。

報道によれば、その原因として大きく3つが挙げられています。

  1. 手抜き工事が少なくない
  2. 役所の検査官による検査が機能していない
  3. M7クラスの地震が連続して起きた



まず、手抜き工事。日本でもあり得ない話ではありません。しかし、日本ではトルコに比べれば耐震基準を満たすことは、建物の安全性に大きく寄与するため、かなり厳密に守られていると感じます。

昭和56年に現行の耐震基準が設けられ、それ以前の建物を「旧耐震」、以降の建物を「新耐震」と称するように、不動産取引においても、建築時期等が明確に示され、消費者の意識も高いといえます。

かつて、構造計算を意図的に改ざんし、耐震基準に満たない建築物が建てられた姉歯事件が大きく取り上げられました。それだけ社会の意識が高いことの現れだといえるでしょう。

トルコでは、役所の検査官にワイロを渡すと検査を通ってしまう、という実態もあったようです。

しかし、それ以上に今回の地震では日本の震度の基準で震度7クラスの地震が2度立て続けに起きたことが大きいと感じます。

日本でもあり得ない話ではありません。

いずれ必ず起きる大地震。いくら備えていても影響がないわけではありませんが、自分自身が住んでいるところがハザードマップ上どのように評価されているのか、地震が起きた時にどう行動すべきか、などを事前に考え、いざというときに落ち着いて行動することが重要です。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

西山広高
専門家

西山広高(ファイナンシャルプランナー)

西山ライフデザイン株式会社

西山ライフデザインは「不動産に強いFP事務所」「お金に強い不動産屋」です。不動産取引では「両手取引」を行わず、お客様の利益を最優先します。「上級相続診断士」として相続でもめないお手伝いをします。

西山広高プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

お金と不動産の知識で自分らしく幸せな暮らしを提案するFP

西山広高プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼