マイホーム購入のタイミング
コロナウイルスの感染拡大が始まる前まで、弊社でもセミナーなどを行っていました。
コロナ禍の現在、人を集めることが難しくなっており、最近はできていません。
聞いていただく方を集めることに抵抗があります。
特に相続に関することなどはお聞きいただく方の多くが65歳以上。
万が一にも感染拡大につながるようなことがあると大きなご迷惑をおかけすることにもなりかねません。
一方、オンライン相談であればそうした心配はする必要がありません。
しかしながら、65歳以上の方でZOOMなどの機能を苦も無く使いこなせる人はまれです。
(やってみたら案外簡単にできた、という方も少なくないのですが)
また、相続相談はかなり立ち入った話を詳しくお伺いすることも必要になります。
その「話しぶり」も貴重な情報であることから、はやり直接お会いしてご相談をお受けすることが中心になります。
もちろん、弊社としてはお客様がいらっしゃる前に相談デスクをアルコール除菌し、消毒液も準備するなど万全な対策を取らせていただいています。
最近、オンラインでご相談いただく内容で多いのは住宅購入に関することです。
弊社ではFPとして、将来の家計への影響なども考慮した予算の考え方から、物件探し、取得までお手伝いさせていただいています。
先日、こんな方からのご相談をお受けしました。
つい最近ご結婚されたばかりの共働きのご夫婦。
ご主人の仕事はテレワークが定着し、コロナ禍が過ぎてもおそらくテレワークが続くだろうということ。
家で仕事をすることを前提に考えなければならなくなりました。
家の中にワークスペースを確保したいこともあり、やや手狭に感じていました。
今の住まい(賃貸)の近くに新築マンションが売り出されました。
価格はやや高いかなと思いつつ、モデルルームを見に行ったところ、営業マンと販売会社のFPから「大丈夫ですよ」との話をされたそうです。
今の住まいよりも少し広くなり、ワークスペースも確保できそうなことからかなり興味はありました。
しかし「本当に大丈夫かな」と感じ、弊社にご相談をいただきました。
ご結婚されたばかりでこれからお子様を、できれば二人授かればうれしいと考えておられました。
購入を検討されているマンションの価格とあわせ、現在の預貯金や今後の収入予測なども細かく伺ったうえで弊社でシミュレーションをさせていただきました。
結果は「70歳くらいで預貯金が底をつく恐れがあります」というちょっと厳しいものでした。
結果をお伝えする前に「ちょっと厳しいお話をさせていただくことになります。」とお伝えしたところ、「そうです。そういうキチンとした回答、本当の話が聞きたかったんです。」とのことでした。
不動産業者やマンションデベロッパーは不動産を売って初めて売り上げが立ち、利益が出る業態です。
その会社にもFPがいたようですが、こうした会社に雇われているFPは当然のことながら雇い主である会社に不利益になることは言いにくい、ということになります。
何のためのFPかと言えば、購入希望者の背中を押すためにそこにいるわけです。
ご相談者はまだ結婚されて間もないということで、これからお子様を授かることを希望していますし、お子様を授かればその教育資金も必要になります。
せっかくお子様が生まれたのにそれによって生活が厳しくなるのでは本末転倒です。
住宅を購入するのに最も良いタイミングは上のお子様が小学校に上がるくらいの頃だろうと私は考えています。
もちろん、それぞれのご家庭の資産状況や収入予測、その他さまざまな要因を複合的に考える必要があり、すべての人に当てはまるタイミングではありません。
FPはご相談者が将来経済的に困ることの無いよう、ご相談者の立場に立ったアドバイスを行わなければならないと私は信じていますし、そう心がけています。
弊社でも不動産仲介を行っていますが、弊社にお越しになる、あるいはオンラインでも相談されるご相談者には、初めから不動産をご紹介することはありません。
ご予算や現在の状況などをお聞きした上で、不動産を購入すべきではない方、今はそのタイミングではない方に無理に購入を促すことはしません(ご相談料をいただきますが)。
中には、初めての相談だけ終わる方もいらっしゃいます。
弊社に来て「大丈夫」というお墨付きを得られることを期待されていたのだろうと思われる方も少なくありません。
それでも何年かたった後「あの時相談してよかった」と思っていただければ、自分の役割は果たせたことになると考えます。
一生でおそらくもっとも大きな買い物。失敗は許されません。
しかし、人は一度「欲しい」と感じてしまうとその欲求を抑えることが難しくなることがあります。
冷静に検討することが重要です。弊社では、客観的な分析でご相談者が「後悔しないマイホーム選び」を行うことができるようお手伝いします。