働き方改革の行方1
日本人は「借金嫌い」の民族だと思いますが、テレビコマーシャルや電車の広告などでは明るい雰囲気で「カードローン」などのコマーシャルを毎日のように見かけます。
なぜこんなに多いのでしょう。
多くのカードローン会社が2%程度から18%程度までの金利でお金を貸してくれます。
銀行からの借り入れよりも審査もゆるく、収入のある初めての方ならよほどのことがない限り借りることができるでしょう。
2~18%といったように金利には大きな幅がありますが、この金利の多くは借入額によって異なってきます。
借入れ金額が大きくなれば金利が下がり、借入額が少ないと金利は上がります。
おそらく多くの人が数万円から十数万円の間で利用し、ボーナスや給料が出た後に返済をするなど一時的に利用している人が多いのではないかと推察します。
(ちゃんと調べたわけではありません)
でも、怖いのはその入り口のハードルの低さ。
一度借りると、借りることに対する抵抗感がなくなり、また借りてしまう人が多くなると考えられます。
そして、低額の借り入れだと15%くらいの金利がかかります。
これだけ低金利の世の中で15%ってすごくないですか?
でも、金利にも見方を変えると人間心理的には安く感じてしまうところもあることが怖いところです。
仮に10万円を借入れたとします。
翌月に全額返済すれば金利手数料は約1250円。(10万×年利15%÷12ヶ月)
一時的とはいえ10万円貸してくれて1か月後に返済すれば金利負担は1250円。
この金額にあまり負担を感じないことが怖いところです。
最初の何日間かは金利ゼロという会社もあります。
初めての借り入れのハードルを下げ、気軽に利用したことで、自分自身のカードローンの利用に対する抵抗感が下がってしまう。
その結果、借り入れがどんどん膨らんでいき、多重債務者になってしまった人も少なくありません。
そして、カードローン会社は儲かるのです。
あれだけ広告費を出しても大丈夫なのはそのせいです。
お金を借りようとする人はきちんと返済計画まで考え、コントロールできなければなりません。
「ご利用は計画的に」
と言いながらこれだけコマーシャルをし、懐が寒いに忍び寄る魔の手。
やむなく利用しようとする人は借金をすることの意味やリスクについてしっかり考えておかなければいけません。