高齢者の賃貸暮らしのリスク
日本の少子高齢化、人口減少が進むことは確実な今の世の中。
空き家問題もますます進行していくことも確実です。
地方都市を中心に「コンパクトシティ化」すなわち、行政機能などを都市の中心部に集中させ、人が居住するエリアもある範囲の中に集中させようという試みが進んでいますが、なかなかうまくいっていないのが現状です。
コンパクトシティーに逆行 自治体、郊外開発を黙認 インフラ負担減らず
日経新聞 2018年4月21日記事
今は地方都市を中心に問題が取り上げられていますが、今後は首都圏にも人口減少の波が押し寄せます。
また、核家族化が進行している今の日本では、相続の発生後、残された不動産に家族が住まず、空き家となる物件が急激に増えることも予想されます。
空き家となる多くの物件は売却されるでしょうが、そうした物件が多くなればそのエリアの不動産価格の下落につながることは間違いありません。
住宅購入では建物の状態も大切な要素ですが、これからは特に立地、それも周辺環境などとあわせてその街の発展性、持続性などもポイントになります。
これからの住宅選びは「街」を選ぶことも重要
これらの背景から、長期的には、多くの場所で地価が下落すると考えられます。
その中で今後も上昇するところ、あるいは横ばいを維持するところもあるでしょう。
そういう場所にはそうなる理由があるはずです。
不動産の価格も他能褒野の値段と同じように、基本的には「需要」と「供給」のバランスで価格は作られます。
すなわち、今後も需要が落ちないエリアはどこなのかを見極めることが重要です。
これまでのマイホーム選びでは、買うときから売る時のことを考えて購入する方は少なかったと思います。
(投資用不動産では売却時の価格予測も重要ですが)
しかしながら、何らかの事情で売却を検討することになった時、思った以上に価格が下がっていると問題になることがあります。
ローンの残債の方が売却価格より大きくなってしまうリスクなどはその典型例です。
その他にも住宅を売って老後資金を確保する場合などにも影響が出ます。
逆にこの見極めを間違わなければ、持ち家が将来資産として残せる効果は高いでしょう。
不動産を選ぶとき、こうした視点が今後さらに重要になると思います。
今後、20年、30年、40年、場合によってはそれ以上の期間を見据える必要もあるかも知れません。
今後の予測は決して簡単ではありません。
しかし、今はそのエリア、その街の将来性を予測するための様々な情報もネットから収集できます。
もちろん誰にも確実なことはわかりませんが、ある程度の予測は可能なのではないでしょうか。
老後の不安を感じない生活をするための住宅選びはこれまでとは違った視点が必要です。