租税教室の講師を務めました
弊社にお越しにならっれたあるお客様。
ある事情でそれまでお住まいだった家を解体し建て替えることになりました。
建て替えが決まるまでの間、
・ 土地を売却し、新たな家を購入するか
・ 今の家を建て替えて住むか
で様々な検討を行った結果「建て替え」を選択されました。
検討途中での条件として
・ 旦那様はご病気をされ、施設にお住まいになられている。
・ 二人のお子様のうちおひとりは仕事で地方にお住まいで、当分の間(あるいはずっと)同居することはなさそう。
・ もうお一人のお子様は大学生で同居中だが、仕事を始めたら、あるいはご結婚すれば家を出るだろう。
家を建てるとなれば、
・ ご相談に見えた奥さまにとっては一生住む家になるだろうということ。
・ ひょっとしたら子供たちのどちらかが将来「ここに住みたい」と思うかもしれない。
・ そして、印象に残った条件として「以前の家からグレードを落としたくない。」
今回、家を解体しなければならなくなったのは不可抗力でした。
「不可抗力の結果、自分たちの住まいのグレードが下がってしまうのは悔しい。」
その気持ちはとても良く分かる。そんなご相談でした。
そんなわけで、解体前から近くのアパートに仮住まいすることになり、仮移転されました。
仮住まいは本来のご自宅に比べるとだいぶ駅から遠く、利便性は悪くなりました。
仮住まいのアパートですから、面積も狭く、グレードも決して高いわけではありません。
ところが、しばらく住んでみると少し印象が変わってきたと言います。
もともとのお住まいは駅から近いのですが、駅のアナウンスが聞こえるほどで、窓を開けると決して静かとは言えない環境でした。
仮住まいのアパートは駅から遠いというデメリットはありましたが、閑静な住宅街の中にあり、周辺には緑もあります。
住んでみると落ち着いた環境で「思っていたより快適」だとおっしゃられていました。
私自身も以前、賃貸マンションや賃貸アパートに住んでいたことがあります。
その賃貸マンションは窓から見下ろすとすぐ近くに電車の踏切があり、朝5時から踏切の音が聞こえるところでした。
住み始めててすぐは踏切や電車が通る音で目が覚めたりしていましたが、1週間もすると慣れてしまいました。
そのマンションは6階建ての5階の部屋で、南側の窓の外は羽田空港に発着しようとする飛行機や池上本門寺本堂の大屋根が見え、良い景色がお気に入りでした。
賃貸アパートに住んでいた期間は2年ほどでしたが、最寄りのどの駅へも徒歩25分くらいかかるところで交通の便は良くありませんでした。
一方で、バス停までは3分、自転車を使えば15分以内に3路線、4駅にアクセスでき、それはそれでそこそこ快適でした。
19.87㎡の1Rでしたが、ロフトがある部屋で、ロフトに布団を引き、その下には大きな収納スペース。
部屋は広くないので、必要なものにすぐ手が届きます。
そこそこ快適に過ごしました。
私が今住んでいる家は私が小学生になった時から住み続けているところです。
(前述の賃貸マンションや賃貸アパートに住んでいた一時期を除いて)
車の通行量の多い環八まで40mも離れていません。
すっかり慣れているためか、あまり騒音が気になったことはありません。
「住めば都」といいます。
マイホーム探しはもちろん、賃貸住宅もこだわって探すのは悪いことではありません。
一方で、住んでみてからわかる「良さ」や「悪さ」もあると思います。
住宅の場合、なかなか住んでみてから決めるというわけにはいきません。
しかし、しばらく住んでみるとその場所に愛着が湧き、当初は気になっていたところも気にならなくなる、ということも多いのだと思います。
さらに、思いもよらぬ発見があったりするかもしれません。
マイホームの購入をご検討される方には、もともと住んでいた家の周辺で物件を探される方がたくさんいます。
地元でせっかく築いた人間関係を失いたくないということもあると思いますが、きっと、その場所に強い愛着があるからという方も少なくないでしょう。
かく言う私も雪が谷大塚在住40年以上。
地元を強く愛するひとりです。
弊社にお越しになるお客様は雪が谷大塚のお客様だけではありません。
お客様はそれぞれの価値観をお持ちです。
私は、お客様それぞれが持つ価値観を大切にしつつ、ひょっとしたらお客様自身も気づいていない様な事も、決して押し付けるわけではなくご提案し、10年、20年たった後「あの人に相談してよかった」と言っていただければ幸せだと思います。