相続の基本(9)遺言を書けばいいというものではありません
相続についての話をすると多くの方が「自分には関係ないや」と感じられるようです。
確かに、人生の中で相続ついて考えたり、相続手続きをする機会というのはそう何度もあることではないでしょう。
しかし、相続は誰にでも訪れることです。
相続というと「資産がある人、家の悩み」と思われがちですが、それも違います。
「相続対策」と「相続税対策」は違うのです。
「相続対策」はいかにして円満に次の世代に資産を引き継ぐか。
「相続税対策」は支払わなければいけない相続税を減らし、多くの資産を次世代に引き継ぐか。
相続税はかからない家もたくさんありますが、相続は必ず起こります。
事前に対策をすることによって相続税を払わなくてもよくなる、ということもあります。
「相続税を減らす事」よりも「相続でもめないこと」のほうが重要だと思いませんか?
相続は自分の両親、兄弟、配偶者、子供などがみんな関係者です。
年齢順で言えば、両親が先に亡くなる場合のほうが多いでしょう。
その時、残った片方の親や、兄弟とその後をどうするか話し合い、決めなければいけない。
兄弟や配偶者の中では自分が先かもしれないし、自分が後になるかも知れない。
自分が先ならば、自分の相続はどのようにして欲しいか。
自分が後ならば、どのようにさらにその次の世代へ受け継いでいくのか考えなければいけない。
「相続が発生した時に考えればいい」
「自分が亡くなった後のことは残された人で相談して欲しい」
では、いざその時が来た時に
「何からどう手を付ければよいかわからない。」
「なかなか話し合いができない」
「分け方でなかなか合意できない」
などということはよくあることです。
人が亡くなったときのことを準備するのは難しいものです。
しかしながら、人が亡くなったことをきっかけに仲の良かった家族がもめてしまうのはもっと悲しいことだと思います。
事前に考えておくことがトラブルを回避することに繋がります。