【メディア情報】<2024年7月>金相場・株式市場・ドル円ウィークリーコメント

水野崇

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テーマ:金相場価格

ファイナンシャルプランナーの水野崇(CFP認定者/1級FP技能士)が、金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。また毎週末は、NYダウ・ドル円(USD/JPY)を含めた金相場価格のウィークリーコメントを提供しています。


2024年7月、全5週のウィークリーコメントをまとめました。

金相場価格・2024年7月のウィークリーコメント

■7/29〜8/2

2024年7月29日〜8月2日週のNY金相場は、2469.8ドル(前週終値比3.8%上昇)で取引を終了しました。8月2日(金)には2522.5ドルの高値をつけ、ドル建て金価格は取引時間中の過去最高値を更新しています。7月30日(火)~31日(水)の米FOMCでは、市場予想通り政策金利の据え置きが決まりました。FOMC後の会見でパウエルFRB議長が9月利下げ開始の可能性に言及したことから金は買われ、予想を大幅に下回った米雇用統計が労働市場の低迷傾向を示し、足元では金相場価格の上昇に弾みがつきやすい状況が見られます。経済指標で米国の景気後退が確実視されれば、9月を含めたFRBの利下げ回数は年3回が有力シナリオとして期待できるでしょう。世界中が注目する11月の米大統領選をにらみながらも、ドル建て金価格は当面堅調な推移が続きそうです。7月30日(火)~31日(水)に開催された日銀の金融政策決定会合では、政策金利の0.25%引き上げが決定。マイナス金利政策を解除した2024年3月以来4ヶ月ぶりの追加利上げによって、政策金利は2008年12月以来の水準に達しています。また、会合後の会見では、植田日銀総裁はさらなる追加利上げの可能性を示唆しました。米FOMCと日銀会合の結果を受けて、日米の金利差縮小により外国為替市場で円を買いドルを売る動きが広がり、7月30日(火)につけた1ドル=155円台から、8月2日(金)には146円台中盤へと円高ドル安方向で推移しています。日銀の追加利上げの影響は株式市場にも及び、円高進行によって国内輸出企業の業績下振れ警戒感が台頭、8月2日(金)の日経平均株価は前日比2216円安を記録し、史上2番目の下落幅で歴史的な暴落日となりました。7月11日(木)につけた日経平均株価の史上最高値42,426.77円から8月2日(金)の終値35,909.70円まで、16営業日の下落幅は約6500円、15.4%の下落率となっています。短期的には売られすぎのサインも出ていますが、金曜日大引け後の日経225先物が海外市場で35,000円を下回る水準で推移しており、週明けの日経平均株価も先物主導で大荒れ相場が続く見込みです。国内金価格は円高ドル安で推移するドル円相場の影響を受けますので、13,000円前後の上値の重い展開が想定されるでしょう。

■7/22〜7/26

2024年7月22日〜7月26日週のNY金相場は、2381ドル(前週終値比0.8%下落)で取引を終了し、週間ベースで2週連続の下落となりました。17日(水)にそれまでの過去最高値を更新する2488.4ドルの高値をつけましたが、その後は利益確定の売りに押され積極的な買いが手控えられています。下落要因の一つに挙げられるのは、中国の実態経済が予想以上に悪いことで、これまで金の実需買いを進めてきた中国勢の需要減少懸念です。そんな中、25日(木)に中国人民銀行が利下げを発表し、金相場価格の下げが加速しました。ただし現状は値頃感から買われやすい水準に位置し、短期的には上昇に転じる展開が想定されます。世界の金融市場にも影響を及ぼす米大統領戦ですが、22日(月)に大きな動きがありました。バイデン氏が選挙戦からの撤退を表明、ハリス副大統領が新たな民主党候補に一本化される見通しとなったことを受けて、これまでよりも民主党勝利の可能性が上昇しています。「ほぼトラ」と言われトランプ氏で決まりとされていた米大統領選ですが、バイデン氏の撤退表明によって市場の混迷度合いが増しています。今後の選挙戦の行方によっては、マーケットの更なる波乱要因にもなるでしょう。直近の重要イベントでは、30日(火)~31日(水)に米FOMCと日銀金融政策決定会合が開催されます。日米の金融政策に何らかの方向性が示されるのではといった思惑が市場で先行しており、政策変更を先取りする形で外国為替・株式市場の変動幅が大きくなっています。FRBの利下げ時期は9月開始が有力シナリオですが、日銀の追加利上げの可能性が浮上し、日米の金利差縮小見通しによる円買いドル売りが加速しています。25日(木)のドル円相場で一時1ドル=151円台後半にまで円高ドル安が進行し、日銀の追加利上げに対する警戒感によって25日(木)の日経平均株価は今年最大の下落幅を記録しました。国内の金融マーケットは全般的にリスクオフムードが広がり、国内金価格も主だった買い材料が見つからず、26日(金)の取引価格は13,000円を下回っています。現状は、金融政策次第の相場地合いです。

■7/15〜7/19

2024年7月15日〜7月19日週のNY金相場は、2399.1ドル(前週終値比0.9%下落)で週間の取引を終えました。5月20日(月)につけた直近高値2454.2ドルを7月16日(火)に上回り、17日(水)には過去最高値を更新する2488.4ドルにまで上昇する場面がありました。この時点の週間上昇率は約2.8%に達しましたが、高値更新後は手じまい売りに押される形で週末にかけて大きめの値下がり幅となっています。主な上昇要因としては、FRBの9月利下げ観測が一段と高まったことが挙げられます。17日(水)には米金融当局者から利下げ時期が迫っているとの発言が相次ぎ、ウォラーFRB理事は「利下げ時期が近づきつつある」、ウィリアムズNY連銀総裁は「数ヶ月以内に利下げが妥当となる」などと述べています。一方、過去最高値を更新した直後に大幅下落に転じましたが、19日(金)に発生したマイクロソフト社の世界的な大規模システム障害によるリスク回避の換金売りと、高値更新直後の利益確定売りが重なり、資金が流出する格好となりました。ただし現在のドル建て金価格は、7月17日(水)高値と6月26日(水)安値の半値押し水準に位置し、このまま下げが加速するとは考えづらく、直近は押し目買いが入りやすい状況といえます。株式市場では半導体関連株・大手ハイテク株が軒並み大きく売られました。バイデン米政権やトランプ氏の政策が対中半導体輸出規制の強化を示唆し、世界的に半導体産業の混乱が懸念されていることが下落の主因で、半導体関連企業の中国事業に影響を与える可能性が高まっています。17日(水)にトランプ前大統領が現在の円安ドル高に関して強い懸念を表明したことが伝わると、通称「トランプ・トレード」が走り出し円売りポジションの巻き戻しの動きが見られ、東京市場ドル円は1ドル=155円台中盤にまで急速に円高ドル安が進行しました。市場はこの動きを冷静に受け止め、円高が一巡すると発言前の水準である1ドル=157円台前半の水準に戻っています。国内金価格は堅調な推移が続き、17日(水)には13,743円で過去最高値を更新しました。14,000円超えの期待感も高まりますが、週末にドル建て金価格が下落した影響を受けて利益確定の売りで上値も重くなりそうです。

■7/8〜7/12

2024年7月8日〜7月12日週のNY金相場は、2420.7ドル(前週終値比1.0%上昇)で週間の取引を終え、5営業日中の4営業日で上昇となりました。5日(金)の米雇用統計に続いて11日(木)の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米国経済のインフレ懸念が和らいだことを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げ開始を織り込む動きが進み、金利の付かない金は実需買いに支えられ大幅上昇しています。また、日米の金利差縮小を先取りする動きから、11日(木)のCPI発表後には外国為替市場で円買いドル売りが急速に進行しました。ここのところ1ドル=161円台中盤で推移していたドル円相場が、わずか40分間あまりで157円台中盤にまで4円以上も円高に振れ、一旦159円台中盤に戻してから12日(金)の米生産者物価指数(PPI)発表後には再び157円30銭台にまで円高ドル安が進みました。市場では、日本政府・日銀による為替介入が2日続けて実施されたとの観測が浮上し、ドル円相場は大きく乱高下する荒い値動きが見られます。日足チャートでみるドル建て金価格は、前週にレンジ相場の三角保ち合いから上放れした後、6月26日(水)の安値2304.7ドルを直近底値として下値を徐々に切り上げています。直近の高値である5月20日(月)の2454.2ドルを明確に上回れば、遠くないタイミングで上昇トレンドへの相場転換が期待できる局面でしょう。逆に直近高値を抜けられず上値を抑えられることになれば、現状のレンジ相場がこのまま継続する格好となり、依然として方向感のない相場展開が続く見通しです。株式市場では、FRBの9月利下げ開始観測の一段の高まりによって、NYダウ平均株価とS&P500指数が12日(金)の取引時間中に史上最高値を更新しました。国内金価格は、円安ドル高の進行とドル建て金価格のレンジブレイクによって、11日(木)に13,475円をつけ過去最高値を更新しています。上昇傾向が続いている国内金価格ですが、このまま高値更新が続けば早期の14,000円超えといった可能性も高まりそうです。

■7/1〜7/5

2024年7月1日〜7月5日週のNY金相場は、2397.7ドル(前週比2.5%上昇)で週間の取引を終えました。前週までの方向感のない展開と打って変わって木曜日と金曜日には大幅上昇に転じ、テクニカルでみるドル建て金価格は三角保ち合いからの上放れを示唆、今後も上昇継続の可能性が高まっています。7月5日(金)につけた高値2401.5ドルは6月7日(金)の高値2406.7ドル以来の水準に回復、これまでのレンジ相場を明確に上抜けたことで日足チャートの移動平均線(5日線、20日線)がゴールデンクロスを形成し、5月20日(月)の高値2454.2ドルが次の節目として意識されます。注目されていた6月雇用統計が7月5日(金)に発表され、米労働市場の軟調さを示す結果であったことを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げ開始の見方が市場で一段と強まっています。雇用統計後の米国株式市場では主要株価指数が軒並み上昇、S&P500指数とナスダック指数が揃って過去最高値を更新しました。株価上昇の流れは国内にも波及しており、日経平均株価が取引時間中に最高値41,100.13円を記録、東証株価指数(TOPIX)も約34年半ぶりに史上最高値を更新しました。株式市場の過熱感は乏しく、更なる上値追いが予想されます。また、7月3日(水)の外国為替市場ではドル円が1ドル=161円96銭をつけるなど、歴史的な円安ドル高の進行が止まりません。7月8日〜7月12日週の主な経済指標では、11日(木)発表の米消費者物価指数(CPI)と12日(金)発表の米生産者物価指数(PPI)が注目されます。どちらもFRBの利下げ判断に影響を与える重要なインフレ指標であり、前回同様に予想を下回る結果であった際には、年内複数回利下げへの期待感につながりそうです。国内金価格は、円安進行とドル建て金価格のレンジブレイクといった価格上昇を後押しする好材料が相次いでいます。7月4日(木)には過去最高値を更新する13,379円をつけました。世界的にリスクオン地合いが広がる中で、国内金価格も更なる上昇加速に期待です。


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