金相場価格デイリーコメント週間まとめ(12/9〜12/13)
ファイナンシャルプランナーの水野崇(CFP認定者/1級FP技能士)が、金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。また毎週末は、NYダウ・ドル円(USD/JPY)を含めた金相場価格のウィークリーコメントを提供しています。
2024年6月、全4週のウィークリーコメントをまとめました。
金相場価格・2024年6月のウィークリーコメント
■6/24〜6/28
2024年6月24日〜6月28日週のNY金相場は、2339.6ドル(前週比0.4%上昇)で週間の取引を終えました。経済指標がまちまちの結果であったことから、1ドル=160円の大台を突破した外国為替市場以外の売買材料に乏しく、金相場は前週までと同様に限定値幅内で方向感のない展開でした。FRBの利下げ見通しは引き続き9月開始が有力視され、市場の期待を支える指標結果が待たれます。ドル建て金価格をテクニカルでみると、依然としてレンジ相場が継続し、高値を切り下げるレジスタンスラインと下値のサポートラインが接近しています。現在まで続く三角持ち合いから、上下いずれかへの大きな値動きが予想されるでしょう。7月の第1週は複数の重要な経済指標発表が予定されていることから、イベント通過後には値幅を伴ったレンジブレイクの動きが期待されます。株式市場は米長期金利の上昇が警戒され上値を買う動きが見られず、週間の値動きは小動きとなりました。ドル円相場は週後半にかけて円安ドル高が加速し、6月26日(水)に160円台を超え、6月28日(金)には一時1ドル=161円20銭台をつけました。4月に実施された円買い介入時の為替レートを超える円安水準に位置しており、7月の日銀利上げを控え当局関係者による円安けん制発言と為替介入が警戒されています。7月1日〜7月5日週の主な経済指標では、1日(月)の米ISM製造業景気指数、3日(水)の米ISM非製造業景気指数、ADP雇用者数と続き、5日(金)には米雇用統計が予定されています。いずれの指標も雇用に関わる数字が注目され、特に前回強めの数字がサプライズとなった米雇用統計が事前予想通りに落ち着けば、雇用市場の好調さが一服したとの印象を与え、米利下げ期待の支援材料です。国内金価格は、ドル円相場が約38年ぶりの円安水準となる1ドル=161円台に乗せたことで、価格上昇を後押ししました。円安ドル高の進行によって13,000円台が定着していますが、ドル建て金価格のレンジブレイク後にはもう一段の価格上昇が期待できるでしょう。
■6/17〜6/21
2024年6月17日〜6月21日週のNY金相場は、2331.2ドル(前週比0.8%下落)で週間の取引を終了しました。ドル建て金価格は前週までの流れに変化がなく、概ね上昇日と下落日を交互に繰り返し、次第に上値が重く推移しています。発表された経済指標も強弱感がまちまちで、FRBの早期利下げ見通しを確信できる状況に至りません。米金融当局者の発言によって上下に大きく変動する場面もありましたが、現状の利下げペースは最大でも年1回が基本シナリオであり、FRBの9月利下げ判断に向けた材料待ちといった展開がしばらく続くことが見込めます。ドル建て金価格を日足チャートで確認してみると、5月3日(金)と6月7日(金)の安値がサポートラインとして意識され、上値のレジスタンスラインは5月20日(月)、6月7日(金)、6月21日(金)のそれぞれの高値が徐々に切り下がり、綺麗な三角保ち合いを形成して方向感を失っている状況です。一方、株式市場では米利下げ期待が価格を下支えし、ハイテク株を中心とした好調地合いが継続しています。S&P500指数が最も強く、月曜日から木曜日まで連続して取引時間中の過去最高値を更新しました。ドル円相場においても円安方向に大きな動きが見られ、6月21日(金)には160円が目前となる、1ドル=159円80銭台をつけました。このまま円安が加速すると、4月に実施された円買い介入前の1ドル=160円20銭台にトライし、為替介入の是非が再び問われることになりそうです。7月には日銀の利上げが予想されており、日米の金利差縮小見通しの織り込み度次第では、ドル円相場の変動幅が大きくなる展開も想定されます。国内金価格は円安進行が価格上昇の大きな要因となっており、6月21日(金)の金価格は5月21日(火)の過去最高値:13,368円に接近する13,221円にまで上昇しました。今後、ドル建て金価格が上昇に転じれば、円安との相乗効果によって国内金価格の急騰を招き、連日過去最高値の更新が続く局面が期待できます。
■6/10〜6/14
2024年6月10日〜6月14日週のNY金相場は、2349.1ドル(前週比1.0%上昇)で週間の取引を終了しました。レンジ相場内で方向感がない値動きが続いており、月曜日以降のドル建て金価格は、金曜日まで上昇日と下落日を交互に繰り返しています。11日(火)~12日(水)に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、事前予想通りに政策金利の据え置きが決定されました。従来通り年1回の利下げ見通しが示されたことで、市場の期待感に大きな変化がなく、金相場の上値を抑える要因となりました。また、FOMC同様に注目されていた米5月消費者物価指数(CPI)と米5月生産者物価指数(PPI)がともに市場予想を下回り、インフレ鈍化を示す結果と受け止められ、FRBによる9月利下げ期待が金相場の下値を支えています。ドル建て金価格をテクニカルでみると、5月3日(金)と6月7日(金)の安値でサポートラインが形成され、レジスタンスラインは5月20日(月)と6月7日(金)の高値が徐々に切り下がっている形です。重要イベントを通過した14日(金)の上昇幅も限定的であったことから、現状では主な買い材料も見当たらず、当面の金相場は上値の重い展開が想定されます。株式市場は、CPIとPPIがディスインフレ兆候を示したことを好感し、前週に引き続いてS&P500指数とナスダック指数が揃って史上最高値を更新しました。リスクオン相場の好地合い環境から、ハイテク株を中心として投資資金の流入が続いています。ドル円相場は、12日(水)のCPI発表直後のドル買い加速の流れから一時155円70銭台をつけましたが、13日(木)〜14日(金)の日銀金融政策決定会合で国債の買い入れ減額が発表され、決定会合終了後には158円20銭台にまで円安が進行しました。植田日銀総裁が14日夕方の会見で7月利上げを示唆したことで、日米の金利差縮小への思惑から、1ドル=157円台に戻って週間の取引を終了しました。国内金価格は13,000円手前での揉み合いが続きますが、ドル円相場の円安継続が価格を下支えする主な要因となっています。
■6/3〜6/7
2024年6月3日〜6月7日週のNY金相場は、経済指標に一気一憂する展開となり2325.0ドル(前週比1.0%下落)で週間の取引を終了しました。6月3日(月)に発表された米ISM製造業景気指数の低下を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げ期待が高まりましたが、6月7日(金)の米雇用統計が市場予想を大きく上回ったことで期待感が剥落。ドル建て金価格は月曜から木曜までの上昇幅を全て打ち消し、5月3日(金)と5月24日(金)の安値で形成されるサポートラインを下回る水準にまで大幅に下落しています。各国の金融政策に関しては、6月6日(木)に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会で、2019年9月以来となる4年9ヶ月ぶりの政策金利の引き下げが決定されました。ユーロ圏のインフレ率低下などを受け、今回の利下げ幅は0.25%となっています。米国に先駆けECBが政策金利を引き下げたことで、FRBも利下げに踏み込みやすい環境が整ったとの見方が新たに浮上。利下げは金相場価格の上昇要因であることから、今後の経済指標が注目されます。株式市場では米利下げ期待による資金流入が続き、6月6日(木)にS&P500指数とナスダック指数が共に史上最高値を更新しました。ドル円相場は1ドル=154円台中盤〜157円台中盤で推移したものの、行って来いとなる156円台後半で週間の取引を終了。6月10日〜6月14日週は日米で重要な金融イベントが予定されており、11日(火)~12日(水)に米FOMCが、13日(木)〜14日(金)に日銀金融決定会合が開催されます。ともに政策金利の据え置きが見込まれますが、6月12日(水)に発表される5月の米消費者物価指数(CPI)を含め、重要イベント通過後のアク抜け感に期待です。6月7日(金)に13,000円台を回復した国内金価格ですが、依然として方向感のない値動きが続いています。ドル建て金価格とドル円相場が共にレンジ相場内で推移しているため、国内金価格のもう一段の上昇には材料が乏しく、当面は13,000円を挟む値動きが想定されるでしょう。
【メディア情報】水野崇(CFP/1級FP技能士)が金・貴金属買取の「なんぼや」に金相場価格のデイリーコメントを提供
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