【メディア情報】金相場価格デイリーコメント週間まとめ(6/17〜6/21)
ファイナンシャルプランナーの水野崇(CFP認定者/1級FP技能士)が、金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。また毎週末は、NYダウ・ドル円(USD/JPY)を含めた金相場価格のウィークリーコメントを提供しています。
2024年5月、全4週のウィークリーコメントをまとめました。
金相場価格・2024年5月のウィークリーコメント
■5/27〜5/31
2024年5月27日〜5月31日週のNY金相場は、手掛かり材料難から上下いずれも値幅が限定され、2345.8ドル(前週比0.5%上昇)で週間の取引を終了しました。下値では値頃感から押し目買いが入るものの、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待の後退で上値は重く、方向感のない値動きとなっています。ドル建て金価格を日足チャートでみると、4月12日(金)と5月20日(月)の高値で形成されるレジスタンスラインから、5月3日(金)と5月24日(金)の安値で形成されるサポートラインまでの間で三角保ち合いを形成し、現状では2つの移動平均線(5日線、20日線)を共に下回りました。米利下げ見通しは年1回が有力視されていますが、FRB当局者からは利下げを急がない姿勢を強調する発言が相次ぎ、ドル建て金価格の膠着色は強まっています。FRBの利下げ先送りの警戒感は株式市場にも波及しており、NYダウ平均株価は金相場同様に方向感がなく、5月20日(月)の高値40,077ドルから5月30日(木)の安値38,000ドルまで、おおよそ2000ドル幅のレンジ相場の様相です。利下げ議論を前進させる経済指標の結果待ちで、上下いずれにも大きく動きづらい状況となっています。外国為替市場では、FRB当局者の利下げ慎重発言を機に、ややドルが売られる場面がありました。ドル円相場は150円台後半と歴史的円安水準に位置しながらも、156円台と157円台の往復で小幅な値動きに留まっています。6月3日〜6月7日週の主な経済指標では、6月3日(月)に米ISM製造業景気指数が、6月7日(金)に米雇用統計がそれぞれ発表されます。前回の雇用統計は予想より弱く、サプライズとして市場で受け止められましたが、今回も利下げ見通しを判断する重要経済指標として注目されています。国内金価格は、弱いドル建て金価格を円安傾向のドル円相場が下支えする格好となり、13,000円前後での推移が続いています。この先も大きく下押しすることは考えづらく、当面13,000円を挟む値動きが想定されます。
■5/20〜5/24
2024年5月20日〜5月24日週のNY金相場は、2,334.5ドル(前週比3.4%下落)で週間の取引を終了しました。4月29日〜5月3日週以来、3週間ぶりの下落週です。金相場に影響を与えた個別要因について、時系列に沿って確認してみましょう。5月20日(月)にイラン大統領事故死のニュースが市場で伝えられると、中東情勢の混迷を一段と深めるのではといった警戒感が台頭し、金相場の上昇を後押し。さらには台湾の新総統就任で中国の関係悪化が懸念され、ドル建て金価格は4月12日(金)につけたこれまでの最高値を超え、過去最高値を更新しました。このまま最高値更新の継続が期待されていたものの、5月22日に公表されたFOMC議事要旨でFOMCメンバーから「インフレ抑制には予想以上に長い時間がかかるだろう」との見通しが示され、さらには利上げ議論の存在も明らかになったことから大幅下落に転じます。FRBの利下げ期待で買われていた金相場は失望感から売り優勢となり、プラチナや銀を含めた貴金属市場全体にも下落が波及、週後半にはインフレ低下を示す米経済指標の発表が続くも買い材料視されませんでした。ドル建て金価格をテクニカルでみると4月12日(金)と5月20日(月)の2つの高値でダブルトップを形成、20日移動平均線を下回ったことで調整相場入りを示唆していることから、当面は方向感の出づらい展開が想定されます。外国為替市場は、政府・日銀が4月末から5月にかけて2回実施した円買い介入の効果が薄れ再び円安が進行。1ドル=156〜157円の推移が続き、週間の変動幅は大きくないものの、依然として歴史的円安水準に位置しています。為替介入の是非については国内外の当局関係者からさまざまな意見が出ていますが、米利下げ時期の後ずれ見通しで日米の金利差は大きく、現状円安ドル高を是正する材料が見当たりません。そのため、今後急速に円安が進行した場合であっても、当局の対応策には限りがあるでしょう。国内金価格にとって円安は価格上昇の支援要因となり、5月21日(火)には13,368円の過去最高値をつけました。今後も13,000円前後での底堅い値動きが予想されています。
■5/13〜5/17
2024年5月13日〜5月17日週のNY金相場は、2417.4ドル(前週比1.8%上昇)で週間の取引を終了しました。市場で大きな注目を集める重要な米経済指標を控えた週前半こそ、インフレ高止まりの警戒感から軟調に推移していた金相場ですが、15日(水)に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想と一致し、FRBの利下げ先送り警戒感が大幅に後退。インフレ鈍化を示す内容であったと受け取められ、マーケットでは今秋の米利下げ開始を織り込む展開に転じ、ドル建て金価格は急伸しました。CPI発表後からの市場センチメントは再びリスクオン相場にシフトし、17日(金)にはNYダウ平均株価が史上初の4万ドル乗せで最高値を更新。商品市況においても、金、プラチナ、銀と揃って大きく上昇し、貴金属市場全体に資金流入しています。この背景には、近年BRICS諸国を中心にドルによる決済が減少しており、国単位でドル離れが拡大していることが要因として挙げられます。米利下げ開始時期の不透明感には依然として変化はないものの、現在のドル建て金価格は米経済指標離れの様相を呈し、4月12日の直近高値に接近するなど再び過去最高値更新が期待される水準です。外国為替市場に関しては、週初156円台前半でスタートしたドル円相場は15日(水)のCPI発表直後に153円中盤まで円高が進行。その後は一転して円安方向に切り返し、週間では行って来いとなる1ドル=155円台後半の水準で推移しました。ドル建て金価格の上昇と円安ドル高によって、国内金価格は15日(水)に13,000円ちょうどで過去最高値を更新。16日(木)および17日(金)も連日上昇し、13,028円をつけ3月以降の上昇率は20%を超えています。貴金属市場全体が実需買いから価格を押し上げる展開が続いており、金のみならずプラチナや銀にも大幅上昇が波及しています。金相場にとって円安効果は大きく、ドル建てよりも円建ての方が底堅く推移、週明け以降の国内金価格は大幅上昇と過去最高値の更新が期待されます。
■5/6〜5/10
2024年5月6日〜5月10日週のNY金相場は、2375.0ドル(前週比で2.9%上昇)で週間の取引を終了しました。根強いインフレ圧力からパウエルFRB議長が早期利下げに慎重姿勢を示したFOMCを終え、米雇用統計など重要イベントが通過したことで売買材料が乏しく、週前半の金相場は方向感のない値動きに留まりました。9日(木)に発表された米新規失業保険申請件数の増加幅が8ヶ月ぶりの高水準であったことから、労働市場の減速傾向を示す経済指標が好感され、膠着状態から一転し新たな買い材料として週後半の金相場は大きく上昇しました。ガザ地区に対するイスラエル軍の攻撃が続く中東情勢においては、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止に向けた交渉(ガザ停戦協議)が実施されるも停戦合意に至らず、市場では再び地政学的リスクが強く意識されています。テクニカルでみると、4月30日(火)以降の終値で20日移動平均線を下回っていたドル建て金価格は、5月10日(金)の終値で20日移動平均線を回復、今後の上昇が期待される展開です。一方、政府・日銀が4月末から5月にかけて2回実施した円買い介入を受けて円相場が乱高下した外国為替相場では、依然として1ドル=155円を超える歴史的円安水準でドル円相場が推移しており、円安ドル高圧力が続いている構図に変化は見られません。来週の主な経済指標では、15日(水)に4月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。6月に開催されるFOMCでFRBは金利を据え置く見通しであり、7月以降のどこかで利下げを開始するのか、それとも年内の利下げは見送りとなるのか、今後の方向性を見極める経済指標の一つとして次回CPIが注目されています。これまで、早期利下げ期待の高まりとドル相場の円安推移によって上昇を続けてきた国内金価格ですが、10日(金)には12,869円をつけ、13,000円台乗せおよび過去最高値を更新する展開が期待されています。
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