【メディア情報】金相場価格デイリーコメント週間まとめ(7/8〜7/12)
ファイナンシャルプランナーの水野崇(CFP認定者/1級FP技能士)が、金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。また毎週末は、NYダウ・ドル円(USD/JPY)を含めた金相場価格のウィークリーコメントを提供しています。
2024年2月、全4週のウィークリーコメントをまとめました。
金相場価格・2024年2月のウィークリーコメント
■2/26〜3/1
2024年2月26日〜3月1日週のNY金相場は、2095.47ドルと前週比で上昇して週間の取引を終了しました。1日(金)に発表された米ISM製造業景気指数や米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)の弱い指標結果を受けて、外国為替市場ではドルが売られ金相場を大きく押し上げる展開となりました。国内金価格も過去最高値を再び更新する勢いとなっています。
NYダウ平均株価は、前週比で下落となる39,087.38ドルで金曜日の取引を終了しました。今週はS&P500指数やナスダック指数が共に史上最高値を更新する場面があり、引き続き米株式市場は好調です。1日(金)の東京株式市場では、日経平均株価が40,000円にあと10円に迫る39,990円の高値をつけました。週末の海外市場では、日経225先物価格がすでに40,000円を突破しており、4日(月)の東京株式市場で日経平均株価が40,000円の大台乗せとなるのは確実な状況です。経済指数と生活実感との乖離が指摘されていますが、国内でも今後はデフレ脱却の議論が加速することになりそうです。
ドル円相場は、週初150円台中盤でスタートし小幅な値動きが続く中、金曜日に発表された複数の経済指標が市場予想を下回り、米国経済への先行き不透明感からドルが売られ一時149円台前半をつける場面がありました。150円台前半で取引を終了しています。FRBの早期利下げ観測の後退に伴い、2月中旬以降のドル円相場は150円を挟む149円〜151円の値幅内で推移、円安ドル高の基調は継続しています。国内では日銀が3月もしくは4月の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除に踏み切るのではといった市場観測が広がっており、金融政策の正常化に向けた植田日銀総裁の発言に注目が集まっています。
3月4日〜3月8日週に予定されているイベントでは、6日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表が、8日(金)には米雇用統計の発表があります。また今週はパウエルFRB議長の議会証言も予定されており、金曜日の雇用統計が弱い結果であった場合には、6月の利下げ観測への期待が市場で高まりそうです。国内金価格が2023年12月4日の最高値10,819円に迫っています。再び最高値を更新すれば、金価格の高値更新のニュースを目にする機会が増えるのではないでしょうか。
■2/19〜2/23
2024年2月19日〜2月23日週のNY金相場は、限定的な値幅内で方向感がなく推移し、週間の終値は2049.4ドルと前週比で上昇して取引を終了しました。21日(水)には先月実施分のFOMC議事録が公表されましたが、FOMCメンバーの大半は早すぎる利下げへのリスクを認識し、早期利下げに否定的なスタンスであることが改めて確認されています。市場では早期利下げ期待の後退によって米国債の利回りが低下し、ドルの上値は抑えられ金利の付かない金は堅調な値動きとなりました。
NYダウ平均株価は、週末にかけて最高値を更新する39,131.53ドルで金曜日の取引を終了しました。注目されていた画像半導体設計大手エヌビディアの好決算発表を受けて、株式市場はAIの成長期待をこれまで以上に高めることとなり、世界中の生成AI関連銘柄が幅広く買われる流れが加速しました。22日(木)の東京株式市場では、日経平均株価が1989年12月29日につけた史上最高値を更新、終値で初めて39,000円台に乗せ大きな話題になりました。日経平均40,000円は、もはや通過点との強気の声も聞かれます。米国、欧州、台湾、日本の株価指数が、続々と史上最高値を更新する世界同時株高の様相となっています。
ドル円相場は、週初から週末にかけて150円台前半〜中盤での小幅な値動きに終始し、150円台半ばで週間の取引を終了しました。FRBの早期利下げ観測の後退によってドルの上値を積極的に買い進める動きは手控えられ、日米の金利差からドル円相場は円安ドル高水準での推移が継続しています。日本政府による円買い介入への警戒感は根強いものの、151円台に乗せる場面があれば、次の節目として2023年11月と2022年10月の円安水準である151円90銭台近辺が強く意識されることになるでしょう。
2月26日〜3月1日週の主な経済指標は、29日(木)にPCEデフレーターの発表が、3月1日(金)に米ISM製造業景気指数とミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されています。利下げ見通しに関するFRB高官発言などがマーケットに影響を与えることも想定されます。国内金価格が2023年12月4日に付けた最高値10,819円に接近しており、再び最高値を更新する場面があるかが次の注目ポイントです。
■2/12〜2/16
2024年2月12日〜2月16日週のNY金相場は、週前半の続落と週後半の続伸でレンジ相場特有の方向感のない展開で推移し、前週比では続落となる2024.1ドルで取引を終了しました。米国のインフレ経済指標が強い結果を示しFRBの利下げ期待が大幅に後退、市場では早くても6月以降として先送り観測が台頭する中、ドルが買われ金利の付かない金は売られやすい相場地合いとなりました。
NYダウ平均株価は、金曜日の終値は38,627.99ドルで取引を終了しました。株式市場は史上最高値圏での推移が続き、高値警戒感による戻り売りで上値を抑えられる場面があったものの、好調な企業決算に支えられ押し目買い意欲は引き続き根強く、21日(水)に発表される画像半導体設計大手エヌビディアの決算内容に期待感が集まっています。世界中の生成AI関連銘柄の動向を左右する、筆頭銘柄の決算動向が最大の注目になるでしょう。
週初149円台前半でスタートしたドル円相場は、13日(火)の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る好結果となったことで、FRBの早期利下げ観測が大幅に後退。CPI発表直後にはドル買いが一段と強まる展開で、2023年11月以来の円安ドル高水準となる151円手前にまでドルが上昇しました。利下げ時期の先送り観測によって日米の金利差が意識され、円売りドル買いが加速、週末は150円台前半で取引を終了しています。節目である1ドル=150円を突破したことから、行き過ぎた円安に対する神田財務官のけん制発言が市場に伝わる場面もあり、為替介入への警戒感が円高要因に。その一方で、2023年11月と2022年10月につけた151円90銭台の高値水準が、次の節目として意識されます。
2月19日〜2月23日週に予定されているイベントでは、21日(水)に1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されます。足元では強い経済指標の発表が続き、FRBの利下げ開始は年初時点の3月見通しから6月以降に先送りされています。FOMC議事録でFRBの早期利下げに対する慎重姿勢が再確認されれば、米国債の利回り上昇とドル買いを招き、金相場の上値は重く推移することになりそうです。また、国内の株式市場では、日経平均株価が1989年12月29日以来となる、34年ぶりの史上最高値(38,915円87銭)更新目前で位置しており、歴史的瞬間は時間の問題として大きな注目が集まっています。
■2/5〜2/9
2024年2月5日〜2月9日週のNY金相場は、上値の重い展開が続き前週比では下落となり2038.7ドルで取引を終了しました。中東情勢の緊迫感の高まりが主な買い要因になりましたが、金融当局者からの米利下げ慎重発言が相次ぎ、米国債の利回り上昇やドル高を受けて売りが優勢となりました。国内金価格はドル円が150円に迫るなど円安ドル高で推移している為替要因から、2024年1月の高値を更新しています。
NYダウ平均株価は、金曜日の終値は38,671.69ドルで取引を終了しました。前週までと同様に史上最高値を更新する場面がありましたが、週末にかけては利益確定や持ち高調整で上値は抑えられ伸び悩みとなりました。9日(金)には、S&P500指数が史上初めて終値で5000の大台を突破し、週間ベースでは5週連続の上昇で取引を終了しました。株式市場は上昇相場が継続し行き過ぎ感からの過熱感を指摘されてはいるものの、AI向け半導体需要のさらなる拡大見込みなどで成長銘柄探しの流れが続き、S&P500も史上最高値を付けました。
ドル円相場は、週初148円台後半でスタートし、週末にかけて円安ドル高の流れが強まり、149円台前半で取引を終了しました。経済の好調さを示す米雇用統計の結果を踏まえ、米国債利回りが急伸しドル買いが継続、さらにはパウエルFRB議長が3月利下げを否定したことで、もう一段のドル買いが入る展開となりました。国内では8日(木)に内田日銀副総裁が「マイナス金利解除でも緩和的な金融環境を維持する」との見通しを示し、円安を後押しする材料が新たに浮上しています。市場が期待するFRBの早期利下げ観測も大きく後退しており、今後は節目となる150円突破の動きが再び見られるのかが注目されます。
2月12日〜2月16日週の主な経済指標は、13日(火)に米消費者物価指数(CPI)の発表が、16日(金)に米生産者物価指数(PPI)の発表が予定されています。両指数ともに、FRBの利下げの行方を見極める上で重要なインフレ指標と位置付けられており、インフレ鈍化を示す結果であった場合には、利下げ判断にも影響を及ぼす可能性が想定されています。地政学リスクも意識される中、安全資産としての金買いと円安ドル高の為替要因が重なれば、2023年12月4日に付けた国内金価格の最高値10,819円を更新する場面があるのではないでしょうか。
【メディア情報】水野崇(CFP/1級FP技能士)が金・貴金属買取の「なんぼや」に金相場価格のデイリーコメントを提供
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