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森田都プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

好感を持たれる会話術④ 〜話の展開の仕方のまずい例〜

森田都

森田都

テーマ:会話術

アナウンサーの森田都です。

長年、講座で【話し方】や【朗読】をお教えしている中で、生徒の皆さんに多く見受けられる【話し方の癖】について書き進めております。

今日は、癖の具体的な例、第2弾。

話の展開の仕方のまずさに起因する癖についてお話しますね。

朝礼で校長先生のお話が長くて辛かった・・・というご経験、どなたもありますよね?
そのうち貧血で倒れる子も続出・・・というのが、有りがちな展開です。

このように話が長い、話が要領を得ない・・・などが、こちらに分類される癖です。

私の回りの、話がくどくて、要領を得ないTさんの実例をご紹介しますね。

ある日の会話。
前に、旅行に適した洋服が欲しいから、日曜日に買い物に行くと聞いていた私が、Tさんに以下のように質問しました。
すると・・・。

私   「・・・あっ、そうえいば、日曜日、お買い物にいらしたんですか? いいお洋服、見つかりました?」

Tさん 「あ~、日曜日、すごくいいお天気だったじゃない?」

私   「はい」  (私の心の声・・・あー、だから、いらしたのね?)

Tさん  「だから、朝からお洗濯してね、掃除もして~・・・お布団まで干しちゃったの」

私   「は〜」  (うん? この話、どう着地するんだ~?)

Tさん  「そしたら、お昼回っちゃって、億劫になって~~、行かなかったの~(笑)」

私   「あはは・・・」 (←乾いた笑い・・・)

Tさんの話の展開の仕方の問題点・・・皆さんなら、もうお分かりですね?

問題点は2つです。

1 質問にすぐに答えていない。
2 話を時系列で進めている。

聴き手である私の質問のポイントは、【買い物に行ったのか?】【目当ての洋服は見つかったのか?】です。

でも、Tさんは、私が最も聞きたい肝心なことに、すぐには答えず、朝からの出来事を順に話しています。

このように、相手の質問を無視して、自分が話したいように順を追って話す【起きたこと作文調】の話をしていると、聴き手は、途中で集中力を欠いたり、イライラしたりして、聞いているような顔をしていながら、実際は聞いていない・・・という残念なことになりかねません。

まずは、【いいえ、行かなかったの】と一言返してくれれば、私は、自分の最も知りたいことの答えが得られて、ひとまず満足していたはずです。

だから、その後、理由を長々と話されても、余裕の笑顔で聴いていることができるのです。

更に、その後に、【日曜日、晴れたじゃない? だから逆に行けなくなっちゃったの】と畳みかけてくれれば、より効果的です。

【ふつう晴れたから出かけるはずなのに、逆に・・・って何があった?】と、【逆に】という言葉に反応し、より興味をそそられる可能性だってあるからです。

話の展開の仕方、言葉の選び方ひとつで、何気ない日常の会話も、テンポよく、面白く、展開させることができます。

私のレッスンでは、生徒の皆さんに、自由テーマでフリートークをしていただき、問題点や改善策をお伝えしています。

少し視野を広げたり、視点を変えたりすることで、より人様の共感を得られる話になったり、人の気をそらさない話し方になったりします。

そんなヒントもお伝えし、それを踏まえて、同じ話を今一度していただくと、皆さんの話が劇的に変わるので、毎回、その進化を私自身も楽しんでいます(*^-^*)

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森田都
専門家

森田都(アナウンサー)

美・言の葉サロン

元FM東京局アナとしての知識、美しく正確な日本語、落ち着いた快活な語り口が評判。「話し方・言葉遣い・態度」のトータルアドバイスで、好感を持たれる話し方の習得と、アンチエイジングにも効果的な手法を指導。

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