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電気メスメンテナンスの実態その2

田中嘉一

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テーマ:医療機器メンテナンス

電気メスをテスター(測定器)を使って定量的な点検をするときは、切開や凝固の出力を測定したり、対極板が剝がれて行った時に発生するアラームが発生するときの電気抵抗地を測定する他に「高周波漏れ電流」という項目を測定します。

そもそも電気メスは、300kHz〜5MHzの高周波発振器です。
人体は1kHzから感電の感受性が弱くなっていきますが、高周波になればジュール熱による組織の破壊(切開・凝固)を起こしこれを利用しています。

モノポーラの場合メス先から発した高周波電流は対極板から回収されて電気メス本体に戻りますが、この対極板の貼付がまずいと皮膚に熱傷を起こします。

また、高周波の漏れ電流値が基準値より大きい場合、一定の絶縁が保たれていないため、人体に流れる電流強度が強くなり人体に大きな影響を及ぼす危険があります。

また、上記の電流が流れる経路以外に電流が流れてしまうことがあります。これを高周波分流といい、通常の経路以外に何らかの電流経路が出来ている場合に発生します。
これの原因となる経路が有れば遮断すれば良いですが、高周波漏れ電流が基準値以上だと、高周波分流の経路に患者さんの四肢が触れていたりすると熱傷の原因になったりします。

意外と見落とされがちな電気メスの予防保守は事故防止の観点から大変重要です。

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田中嘉一
専門家

田中嘉一(臨床検査技師)

MEテック・ラボラトリー合同会社

医療機器保守点検・安全管理のエキスパート。300床以下の病院を対象に、「医療機器安全管理と運用」「コストダウン」「丁寧な病院内研修・指導」の3本柱で、病院の医療ミス防止の一翼を担っている。

田中嘉一プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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