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松尾章子

色で魅力を引き立てる着物をゼロからつくる着物専門店店主

松尾章子(まつおあきこ) / 着物コンサルタント

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コラム

タンスの着物、この乾燥期に「出来ることからメンテナンス」してみませんか

2020年12月21日

テーマ:着物 収納

コラムカテゴリ:趣味

コラムキーワード: 着物 着付け

簡単虫干し202012
マイベストプロさんにお世話になっていながら、せっかくのコラムを始めていませんでした。
今日から、ゆっくりペースではありますが始めさせていただこうと思っています。

自身や周囲の方の経験、またお客様からご依頼いただいく内容などをもとに、少しでもご参考にしていただける情報をお伝えすることが出来ましたら幸いです。

早速ですが、今回は、空気が乾燥するこの時期に行いやすい、タンスの中の着物のメンテナンスにつきまして少々。

よく、「虫干し」などの言葉を聞かれると思います。虫や、湿気を取り除くために着物を干す作業のことです。
昔から伝えられていますのは、「土用干し」「虫干し」「寒干し」で、作業に適した時期は以下のようにいわれています。
「土用干し」…湿気の多い梅雨が明けた、7月後半~8月頃
「虫干し」 …暑さが落ち着いた秋晴れの10月後半~11月頃
「寒干し」 …年間で最も湿気の少ないといわれる1月~2月頃

とは言うものの、現代では、地域や住宅環境により、上記の期間が必ずしも良いとは言いきれないですね。
また、着物を干す、という作業は とても理想的ですが、現代の生活環境では なかなか難しい方も多いと思います。

実際に着物をタンスから出して、広げて、着物ハンガーにかけて、数時間経ったら 畳み直して …といった作業をすることは大変です。
1~2枚ならまだしも、着物の他に、襦袢、帯、コート類などもあります。
また、とりあえず広げてみたはいいけれど、たとう紙にシミや変色があったりしますと(たとう紙も取り換えた方が良いです)、せっかく時間と労力をかけたのに、元のたとう紙にしまい直すのも躊躇してしまい、あ~困った! 何てことにもなりかねません。

そこで、着物タンスをしばらく開けていないナ~という方に、この冬おすすめする作業は、
「出来ることからメンテナンス」です。

これは、ただタンスの中の着物を見てみるだけ → そのついでに軽く空気の入れ替えが出来る
というレベルの内容です。

<出来ることからメンテナンスの内容>
・着物をはじめ、襦袢、帯、コート類を対象にしています。
・いずれも、加湿器などは付けず、乾燥した状態のお部屋で、また、風通しの良いお部屋で行うのが理想です。例:窓を開けたり、扇風機(直接あてない)を回す。
・直射日光、西日、お部屋の強い光があたるのを避ける。
・オウチの着物を全て一度にするのではなく、日をおいて分けてやるー というくらいの気持ちで取り掛かると気が楽です。

<1>メモを準備する(着物のシミや、たとう紙のシミ・変色があった場合は、すぐには無理でも、後で対処する必要があるので、それを記録するため(作業が終わったら忘れてしまいがち…)

<2>引出の中から たとう紙ごと出して、たとう紙を開けてみる。

<2-1>着物や帯を広げて、たたみ直すことが出来る場合
⇒ 着物にこもった空気の入れ替えが出来るし、シミなどのチェックが出来ます。その後は、しばらくたとう紙をあけたまま置いておく。お忙しい方は、すぐタンスに戻しても良いかと。
<2-2>着物を広げて、たたみ直すことが難しい場合
⇒たたまれたまま、たとう紙を開けた状態で、しばらく置いておく(1時間~4時間位、可能な時間)。
※着物をたたみ直すことは出来ないが、簡単に戻せそうなところだけ広げることが出来たら、やってみてください。(例:たたんだ状態で一番上に折られている身頃の部分だけを広げる/画像の朱色の着物)

<3>上記2のように、タンスから物を出すこと自体が難しい場合は、段々にタンスをあけ、そのまましばらく置く。
※扇風機を回して(直接風を当てないように)、室内の風通しをよくすることが理想です。

以上です。
着物のシミや変色を見つけましたら、すぐ、専門のところに相談されるのが良いのですが、まずはメモに残して、意識をしておきましょう、というところまでの作業です。

たとう紙のシミや変色は、お取替えのサインです。中の着物がキレイな状態でしたら、新しい たとう紙に入れ替えられますが、着物の状態によっては、後日、洗いや染み抜きの相談に出したタイミングで入れ替えるのが良いかと思います。

普段、着物を着てお出掛けする方は、しょっちゅうタンスを開けたり、たとう紙をあけてコーディネートを考えられたりして、空気の入れ替えがされているのですが、今年は新型コロナの影響で、その機会も減ってしまったと思うのです。

しばらく着物タンスを開けていなかった~ という方、是非、「出来ることからメンテナンス」をなさってみて下さい。

この記事を書いたプロ

松尾章子

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