■シリーズ/狭小敷地の土地選びのコツ - 2
前回、⑧話では、見るための庭のある建築の歴史をお話ししました。
そこには内部から浸透する庭空間を囲う「塀」の囲いが必ずありました。
ここは・・・・一転して現代のよくある住宅街です。
塀がありません・・・・フェンスです。
そして塀で囲うプライベートの庭は無く、道路から見渡せる建物を装飾するガーデニングの庭となりました。
都心部では地価が高値継続時代となり、分譲地は狭小宅地となりました。
致し方のない現実ではありますが・・・・・
もはや囲うべき庭が無いから・・・うっとうしく陰影を作るだけの塀はかえってじゃまなだけ!!
でも・・・境界・領域を示すフェンスはしっかりと必ず作ります・・・・所有エリアを固持する「囲い」の意識は、日本人の意識の中で引き継がれているようです。
ここにシリーズ「住宅と庭」の話 【①話.簡単だけど大事なこと!】で登場した疑問。
「塀とフェンス・・・・この似て非なる物の違い」の回答がありました。
塀とフェンス・・・この似て非なる物の違い
・・・・塀は、同じ囲いでも外の部屋とも言える内部に浸透する「庭空間」のための囲い。
・・・・フェンスは、所有敷地エリアの目印としての囲い。
庭とガーデニング・・・この似て非なる物の違い
・・・・庭は、部屋に浸透する内部と呼応する外部空間「外の部屋」としての造園演出。
・・・・ガーデニングは、建物を外側からデコレーションする造園演出。
・・・・と、独善的に・・・私なりに回答を導き出した次第です。
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敷地が狭いからと言ってあの懐かしくて楽しい生活を捨ててしまうのは無念です。
気持ち良く、室内から外に広がる庭空間が取れずに塀がフェンスになってきた現代住宅の
現実ではありますが、出来ればプライバシーの高い庭が欲しいなと思う方は多いはずです。
「夢の庭付き一戸建て」という言葉はまだまだ死語ではありません。
私の心の中で・・・・「錬金術」ならず「練庭術」への挑戦が湧き上がりました。
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・・・「庭」研究から見えた!! 狭い敷地をのびのび暮らす・・・
・・・都会の中のリゾートハウス
現実打開の建築論 ・・・へ続く
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