■シリーズ/狭小敷地の土地選びのコツ - 2
⑤話のコラムでは、日本の住宅が構造物の家そのものだけでなく、「塀」で囲まれた敷地全体のエリアを「家」と考える感性があるのではないかとお話ししました。
上の写真は、⑤話のコラムでの「中はどうなっているんだろう」と・・・思わず覗きたくなるようななかなか立派な「塀」のある和風住宅の「塀の家」の内側です。
実は、私が井くらいの時に造った和風のちょっと気合いの入った住宅です。(最近では、このような新和風的住宅は依頼がないのでちょっと寂しいのではありますが・・・・)
周囲には「塀」が巡らしてあり、塀の切れたところに写真のように門舎があります。この門を入り客間に入ると見透しの良い、庭と一体となった開放的な造りとなっています。
座敷からは、庭への気持ちのよい浸透性があります。また、室内からの見え方を考えて庭を造っています。一見したところ、庭との仕切がないように見えますが、障子とガラス戸・雨戸を引き込み式として入念な細工がしてあります。
座敷から庭を見通したその先には、生け垣と塀で視線が止まるようになっており、ほどよく囲まれた空間を感じます。このような「外」と「内」を一体に考える和風住宅では、この空間を囲う「塀」が必然となるのです。