転機の兆しの見極め方|人生はいつも遠回り
「ゼロになる期間」を覚悟するより「ゼロを短くする」ことを考える
――新井さん、在宅で起業準備を始めた場合、最初に収益が出るまで何ヶ月くらいかかるものですか? 「最初はゼロが続く」と聞いて不安な方も多いようです。
新井:正直に言うと、準備の仕方によって3ヶ月から2年以上まで変わります。でもね、その差を生む要素は明確で、「誰に売るか」「何を売るか」「どこで顧客と接点を持つか」の3点がどれだけ具体的か。それだけで、ほとんど決まりますよ。
――その3つが明確だと、どのくらいで動き始めるのですか?
新井:目安で言うと、3〜6ヶ月で最初の有料取引が生まれることが多いですね。逆にどれかひとつでも曖昧なまま動き出すと、1年経っても収益がゼロのまま、ということが起きます。これ、現場では本当によく見る光景です。
収益化には「4つのステージ」がある
――もう少し具体的に教えてもらえますか?
新井:わかりやすく4段階で整理しましょう。最初のSTAGE Iが「最初の1円」を生むまでの段階で、平均で2〜4ヶ月かかります。SNSやブログで認知が広がり始めるフェーズですね。そこを抜けるとSTAGE IIで月収1〜5万円。STAGE Iから1〜2ヶ月で来ることが多い。リピートや口コミが始まるタイミングです。
――月収が上がっていくにつれて、さらにどんな段階がありますか?
新井:STAGE IIIが月収5〜10万円で、STAGE IIから2〜3ヶ月。提供している価格や量の見直しが始まる段階です。そしてSTAGE IVが月収10〜30万円。ここに来るまではさらに4〜6ヶ月以上かかるイメージです。全体を通じると、最初の収益から月収10万円の壁に達するまで、早くて半年、じっくり進む人で1年半くらいというのが現実ですよ。
――時間がかかるように感じますが、会社員を続けながらなのでリスクはないですよね。
新井:そこが大事なところです。在職中であれば生活費への影響はほぼない。準備の道具や学習費として月1〜2万円くらいを見ておけば、生活はまったく困りません。コストは低く、リスクはほぼゼロというのが、会社員のまま始める最大のメリットです。
STAGE Iを短くする2つの方法
――最初の収益が出るまでの期間を短くするには、何が効果的ですか?
新井:まず1つ目は、「お金を払ってくれる可能性のある人に直接連絡する」こと。SNSのフォロワーを増やすことを最初の目標にすると、収益化が遅くなります。最初の顧客は、見知らぬ人ではなく、すでにあなたを知っている人から生まれることがほとんどですから。
――友人や旧同僚に声をかける、という感じですか?
新井:そうです。過去の職場の知人、旧友、同僚。そういった人たちに「こんなサービスを準備しています」と伝えてみるだけで、最初の反応が来ることが多いですよ。起業18フォーラムの会員さんのケースでは、最短で6週間でSTAGE Iを通過した方もいます。
――2つ目の方法は何ですか?
新井:「無料または低価格でのテスト提供を経由する」こと。最初からお金を取ろうとするより、まず価値を確認してもらう機会を作るほうが、収益化への道筋が早く見えてきます。最初の1〜2人に無料で提供して感想をもらう、それだけで次の有料取引につながることは多いですよ。
「まず認知を広げてから」より「身近な人への直接提案から」
――多くの人がSNSから始めようとしますが、それは遠回りになることが多いですか?
新井:SNSで発信を継続することは大切なのですが、最初の顧客獲得をSNSに頼ろうとすると、時間がかかりすぎることが多いですね。「まず認知を広げてから収益化」という順番より、「身近な人への直接提案から始める」という順番のほうが、在宅起業準備では現実的に早く動けます。
――でも身近な人に声をかけるのは勇気がいる、という方も多そうです。
新井:わかります(笑) でも「いきなり売り込む」のではなく、「こういうことを準備しています、フィードバックをもらえませんか」という聞き方をするだけで全然違います。最初から完成品を売ろうとしなくていいのですよ。テスト提供でも、感想をもらうだけでも、その接点が次につながっていきますから。
――収益化を焦るより、まず接点を作ることが大事なのですね。
新井:まさにそれです。「ゼロになる期間を覚悟する」より、「ゼロを短くする仕組みを最初から意識する」ほうが、ずっと建設的な準備になりますよ。
週10時間から始めるリアルな時間設計
――在宅で会社員のまま起業準備するとなると、時間の確保も大変ですよね。
新井:最初は週末と平日夜の合計で週10時間から始めることをおすすめしています。最初のうちは「量」より「相手に届く質の高い行動」に絞ることが重要です。週10時間でも、やることを正しく絞れば十分に動けます。
――朝晩30分から、というイメージですね。
新井:そうです。朝30分、夜30分の合計で、積み重ねると本当に侮れない。STAGE Iを短くするためにやるべきことは、実は多くないのです。それだけに、毎日の積み重ねを止めないことが一番大事ですよ。
――ゼロを短くするための仕組みを作りながら、着実に進んでいく。今日はとても参考になりました。ありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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