Quality of Life
英語教育はファミリープロジェクト
わが「ELFえいごの寺子屋」の生徒の約半数は「ひとりっ子」です。
これは統計的にも整合するようです。
もちろん「ひとりっ子」といっても各人各様ですが、一般的にやや「内弁慶」的な傾向が強いように思われます。
「内弁慶」」というコトバ死語ですか?
内(家の中)では威張っているが、外では意気地がないといった、意味合いです。お母さんからの悩み相談でも結構多いのが・・・うちの子は「人見知りする」「引っ込み思案」「友だちができない」などなど。最近はゲームの一人遊びに夢中になって、深刻度が増しているようです。
そこで、英会話レッスンの効果をお話しします。「英会話が上達すると、性格も少し変わりますよ」。これ本当です。
「相手の目を見て」「声を前に出して」「ジェスチャーまじえて」、とにかく、あなたの思っていることを伝えるの。「主語」をはっきり。「YES or NO」をはっきり。英語によるコミュニケーションの基本です。これを繰り返しているうちに「恥ずかしい」という気持ちを忘れます。
次に“How old are you?”と問いかけられ、“I‘m eleven years old”と答える簡単なやり取り。
このレベルの会話が成立すると、そこに普段と違う自分がいることに気づきます。「恥ずかしがり屋」どこ行った?「引っ込み思案」どこ行った?私はこの現象を《英語による変身術》と呼んでいます。とにかく「英語が話せた」という小さな興奮が積み重なって、「英語おもしろい」「英語大好き」となれば・・・これからが楽しみです。
「英語の学習は、ファミリープロジェクトである」というのが私の持論です。
小学3年生からスタートする英語の授業。どうか「先生におまかせ」だけはやめてください。「塾に行っているから安心」と思わないでください。
わが家の日常会話の中で、「英語はどのようなポジションにあるか」を検証してみるとおもしろいですよ。
母子でスーパーに。いまさらながら、英語(または他の外国語)にあふれているのに驚きます。
コーヒー、ウォーター、キャベツ、トマト、棚は「カタカナ表示」のオンパレードです。すぐに50語(いや100語)ぐらい集まりそうですね。完全に日本語化してしまった言葉。もとはアラビア語だったりスペイン語だったりいろいろですが、ここではとりあえず日常使われる英語(アメリカ英語)と考えておきましょう。
では、この日本語は英語としてそのまま使えるのか?通じるのか?
これがダメ!発音(音)違いに愕然とします。コーヒーは(kɑfɪ)、ウォーターは(wˈɔːṭɚ)で、日本語のカタカナ音とは全く違います。
レストランでコーヒーを注文したら、何度も聞き返された挙句にコーラーが出てきたという笑い話があるぐらいです。
そこで母子のお遊び。
「キャベツは英語でどういうの?」「Kabbege=kǽbidʒ」
「トマトは英語でどういうの?」「Tometo=təˈmeɪtoʊ」・・・
普段使っている言葉を英語音で発音する。「少し照れくさい」「少し恥ずかしい」・・・でも、これを乗り越えるのが英会話学習の第一歩です。「教えたりx教えられたり」で母娘の会話も弾みます。
次にもうひとつ、お遊びを加えましょう。
「これ英語でなんて言うの?」です。
例えば、「きゅうり=cucumber=kjúːkʌmbə」、「なす=eggplant= égplæ̀nt」、「スイカ=watermelon= wɔ'tɚmèlən」などなど。
以上のお遊びは、いとも簡単。
スマホ(smart phone)があれば、言葉も、スペルも、発音も寸時に教えてくれます。
保護者の方々の中には、「私は英語が大の苦手、教えるなんてとんでもない」とおっしゃる方がたくさんいらっしゃるでしょう。
そこで私の持論を再度展開します。
「英語教育はファミリープロジェクト」
教えることはできなくても、好きにすることはできますよ。今晩早速実践してみましょう。
今夜の副菜は、ママ得意の「なすの煮浸し」。そこでパパに質問です。「なすって、英語でなんて言うの?」。パパが目を白黒させて、お料理をのどに詰まらせるか、得意気に答えて上機嫌になるか楽しみですね。
数学、理科などの教科は夕食の共通話題になりにくいですね。しかし、英語はおいしい話題になります。
「JRってなんだ?」という質問に、おじいさんが「Japan Railwaysだ」と答えます。
「Subwayってなんだ?」という質問にママが「地下鉄」、弟が「サンドイッチや」
と答えます。
このような毎日は、「我が子と英語の関係、距離感」を自然な形で教えてくれます。
英語の授業が始まった小3以上の子供たちは英語が好きか嫌いか・得意か不得意か、通知表見なくてもわかります。
それ以下の子供たちならラッキー!
自然な形で英語に触れるきっかけができどんどん英語を吸収していく能力がつきます。
お子様の学年(年齢)、兄弟のあるなし、家族に英語の得意な人がいるかいないか…条件は様々です。ただ、私の願いは、英語という強化を教室や塾、通知表の中に閉じ込めないでほしいということです。
家族の日常の中に開放して、みんなの共通の話題にしてください。
英語好きな子供を育てる土壌づくり。
だからファミリープロジェクトなのです。
一人っ子でも、親ひとり子ひとりのファミリーだって‘英語遊び‘はばっちりです。
楽しんでください!