Quality of Life
『えいごを食べよう』
教室のホワイトボードの上隅に、『えいごを食べよう』という手作りポスター(標語)を貼りました。
えいごを食べよう⇒よく噛んで⇒よく味わって⇒「ゴックン」と吞み込もう⇒消化して⇒栄養にしよう。まあ、理屈で言えばこんな流れ。しかし、子どもたちに、くどくど説明をする気持ちはありません。
ただ、貼っておくだけ。子どもたちには、「食べちゃうぞ」という上から目線で、英語に接してもらいたいと思っています。
ところで、これ、自分で自分の首を絞めているのに気がつきました。子どもたちに、英語を食べてもらうために、英語という食材をおいしく料理しなければいけない・・・シェフ誰ですか?タイヘンダ!
ちょっぴり腰が引けましたが、自らを鼓舞する意味で、毎日眺めることにしました。
日本は、英語能力が低い国
世界112か国中78位
『えいごを食べよう』には、英語を血肉にかえて、自らのパワーにしよう、という願いが込められています。しかし、現状はどうでしょう。 日本人の「英語力」は問題ありです。例をあげれば、有名なEF EPI調査(2021年度能力指数)では、世界112か国中78位。堂々の「低評価」です。(もちろん母国語が英語の国は除く)
具体的には、5段階評価で下から2番目です:①「非常に高い」 ②「高い」 ③「標準的」 ④「低い」 ⑤非常に低い
ちなみに④「低い」の評価基準は・・・同僚とちょっとした会話ができる。同僚からの簡単なメールを理解することができる。観光客として英語を話す国を旅することができる。
これが日本人の英語力の平均です。(あくまで平均ですよ!)
この事実よくわかりますね。大半の日本人の「英語力のピーク」は大学受験期です。瞬時に覚えて、瞬時に忘れる。これでは血肉になって、「人間力」をつけるまでには至りません。
参考までに、①「非常に高い」と②「高い」の評価基準は・・・
①「非常に高い」:
高度な文章を簡単に読むことができる。
英語のネイティブスピーカーと契約交渉ができる。
②「高い」:
職場でプレゼンテーションができる。
ネイティブの同僚と共同作業ができる。
テレビ番組を理解でき、新聞が読める。
小学3年からの英語学習で今後はランクアップ?
2020度から英語は小学3年生スタートの義務教科になりました。これでランクアップするのではないかと期待が寄せられています。しかし、私は「制度」が変わっても、「意識」が変わらなければ、「道遠し」と思っています。
ひとつ大切な指摘をします。①「高い」の評価基準の中に、「英語のネイティブスピーカーと契約交渉ができる」という一項があります。「英語を話す・聞く・書く」能力と「契約交渉する」能力はまったくの別の能力です。
私は約20年間、外資系の有名企業に身を置き汗を流しました。そこで何度も「あの人は英語は出来るが、仕事はできないね」という勤務評価を耳にしました。ビジネス現場で、「英語ができること=仕事ができること」ではないという経験をたくさんしてきたのです。
契約交渉は「人と人のぶつかり合い=文化と文化のぶつかり合い」。この時、英語は単なるコミュニケーションの「道具」に過ぎないのです。
舞台を日本に置き換えて考えると、誰にでもわかります。「日本語ができる人=仕事ができる人」ではありませんよね。
NY州の学校と提携した新しい挑戦
私の目標は、世界を舞台に活躍する人材の育成です。《ELFえいごの寺子屋》は、その最初の一歩であり、滑走路に過ぎません。
上手にテイクオフする手助けです。では、その先に何を用意するか。選択肢のひとつとして、留学を選びました。
英語力を②「高い」の基準まで引き上げ、同時に英語ネイティブの人たちと対等に付き合う術(例:契約交渉力)を学ぶためです。
将来の人生設計を明確にもって留学できる人はめったにいません。若者は「発展途上」にありますから、私はむしろ人生設計が漠然とした時期の留学がおもしろいと思っています。留学し、異文化に触れながら将来の目標を定めていくのは、なかなか魅力的な青春ではないでしょうか。
そんな夢にかられて、NY州サザンティア地方の中・高・大学の数校と提携を結びました。
もっぱら英語力アップに集中する、どこまでやれるか自分の実力を試してみる、その過程で進むべき専門分野を探ってみるetc、etc・・・留学期間も短期・中期・長期とフレキシブルに対応できます。
この留学体験は、人生の選択肢を数倍の大きさに拡げてくれるはずです。職種、職場、友人・人脈、趣味・趣向、家庭設計・・・