◆活用範囲が広がった「法定相続情報証明制度」◆~相続手続き~
こんばんは。
司法書士 行政書士 山口里美です。
昨日から報道されておりますが、
非嫡出子の相続分の規定について、秋にも違憲判決が出る可能性が高くなって参りました。
◇婚外子相続規定:最高裁大法廷で弁論 合憲見直しの可能性(毎日新聞より)
結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を
嫡出子の半分とした民法の規定が、「法の下の平等」を保障する憲法に違反するかどうかが
争われた家事審判の特別抗告審で、
最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允<ひろのぶ>長官)は10日午前、当事者の意見を聞く弁論を開いた。
婚外子側は「規定は憲法違反で、直ちに司法の救済が必要だ」と訴えた。
今秋にも大法廷が、従来の合憲判断を見直 す可能性が高まっている。
◇嫡出子
民法上、嫡出子の推定を受けるのは、「妻が婚姻中に懐胎した子」(民法772条)だけですが、
結婚前に懐胎した場合であっても、嫡出子と認められます(これを「推定されない嫡出子」といいます)。
嫡出子となるもうひとつのパターンが「準正」という制度です(民法789条)。
準正とは、「父親が子を認知した後に両親が結婚する場合」または、
「両親が結婚した後に父母が認知する場合」をいいます。
母親については、分娩の事実だけで認知をしなくても母子関係が成立すると考えられていますので、
「両親の結婚」と「父親の認知」の両方がそろった場合を「準正」といい、
準正があれば、その子は嫡出子の身分を取得します。
◇嫡出子と非嫡出子
嫡出子と非嫡出子(婚外子)の実体法上の最大の違いは、
法定相続分が異なるということです(民法900条4号)。
非嫡出子の相続分は、嫡出子の2分の1になります。
「嫡出子と非嫡出子で相続分に差があるのは、差別だ」として、
昔からその規定の合憲性(平等原則を定める憲法14条違反)が争われてきました。
過去に争われた裁判では、最高裁判所は、「結婚」という制度を尊重するためのもので
不合理な差別ではないと判断し、この民法の規定は合憲だと判断してきました。
実務も、その通りで動いております。
◇最高裁判所
今回の裁判も、一審と二審は、過去の最高裁判例と同様、合憲と判断致しました。
そして、最高裁判所まで行きつき、大法廷で口頭弁論が開かれることになりました。
最高裁判所には、裁判官15人全員で構成される「大法廷」と、5人で構成される「小法廷」があります。
そのうち大法廷は、特に重要な判断をする審理を取り扱い、
違憲判決や判例変更をすることができます。
また、最高裁判所は、理由がないとみれば、口頭弁論を開くことなく
特別抗告を棄却することができますが、
原審(今回だと東京高裁)の判断を覆すような場合は、口頭弁論が開かれます。
従って、最高裁判所は、今回は判例を変更し、
民法の規定は違憲だとして東京高裁の決定を破棄する・・という可能性が出てきたと推定されます。
時代とともに、法律も変化する。
違憲判決が出れば、民法改正という話になり、
皆様の生活、そして、私たちの業務にも大変な影響があります。
どのような判断になるのでしょうか?
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