共有持分の売却に必要な書類は?売却の流れと注意点を解説!

松原昌洙

松原昌洙

テーマ:共有名義不動産について知っておくべきこと

「共有持分を売却する際に必要な書類は?」
「どのような流れで売却するの?」
「売却時の注意点は?」

共有持分を売却する際、何を用意しておけば良いのか分からない方もいらっしゃるでしょう。またどのような手順で売却を進めるのか疑問に思う方もいらっしゃいます。そこで、この記事では共有持分の売却に必要な書類と売却の流れ、注意点を紹介します。

■1.共有持分の売却に必要な書類

共有持分を売却する際に必要な書類は以下の5つ挙げられます。

1-1 登記識別情報(権利証)


権利証とは不動産を所有していることを証明する書類であり、2006年以降は「登記識別情報通知」として発行されています。権利証は不動産の登記が完了した際、法務局から発行されます。一度発行すると再発行できない重要な書類です。万が一紛失している場合、司法書士などに相談すれば、権利書の代わりとなる書類を発行してもらい、売却することができます。

1-2 固定資産税評価証明書


固定資産税評価額の証明書とは、固定資産税などを算出する際の指標となる固定資産税評価額を確認できる書類です。共有持分を所有している不動産がある所在地の市区町村の役所(東京23区の場合は都税事務所)で取得でき、費用は300円程度です。

1-3 土地測量図および境界確認書(土地の場合)


土地測量図および境界確認書は、土地の面積と隣地との境界を示す書類のことです。境界杭が未確定なままであると、正しい土地の広さを売却することができないため、土地の測量図または境界確認書が必要です。例えば登記簿謄本に記載されている土地の面積は300㎡であるものの、実際に土地を図ってみたら350㎡あったというケースはよくあります。土地が小さければ固定資産税も安くなるため、古い土地に関してはズレが生じていることが多いです。
しかし売却するとなると、小さなまま売却してしまうことになり、価格も低くなってしまいます。そのため土地家屋調査士などに依頼し、土地の確定測量図と境界確定が必要となります。測量と境界確定は、土地の広さや隣地の人数などによって異なりますが、30万~100万円ほどの費用がかかります。

1-4 身分証明書と住民票


共有持分を売却する方の身分証明書と住民票が必要です。身分証明書に該当するのは以下の項目の通りです。

  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • パスポート
  • マイナンバーカード など


登記されている住所と現住所が異なる場合は住民票も必要となるため、市役所などで取得しておきましょう。

1-5 実印・印鑑証明書


共有持分を売却する際には捺印します。認印でも構いませんが、契約書に実印を押すことを不動産業者や契約の相手方から求められることが多いです。より契約が重要であることの証明や安全性の観点から実印での捺印が求められます。

■2. 共有持分の売却の流れ


共有持分の売却の流れは大きく分けて以下の流れとなります。
不動産会社によって、若干進め方は異なりますが当社中央プロパティーでは次のような流れになります。

2-1 対面またはオンラインによる面談


まずは、不動産の活用状況や共有者との関係性等について、お話しいただきます。その内容をふまえて、担当者と弁護士が最適な方法をご提案します。
遠方の場合は、まずはオンラインにて面談を実施することも可能です。
中央プロパティーの場合は、必ず初回の相談時に弁護士も同席しておりますので、法的な見解を交えて最適でスピーディーな問題解決のご提案が可能です。

2-2 オークションによる入札売り物件として広告を出す


ご提案の内容にご納得いただけた場合、販売活動を開始します。
中央プロパティーの場合は、CENTURY21の広いネットワークを活かし、オークション形式で購入希望者を募ります。
入札という競争原理を最大限に活かすため、最高値での売却が実現します。
万が一、購入希望者が現れない場合も、中央プロパティーが自ら買い取る「買取保証」で対応できますので、ご安心ください。

2-3 売買契約を締結する


購入希望者が見つかった後は、買主と売買契約書を締結します。
中央プロパティーの場合、売買契約の締結時にも弁護士が立ち会います。売主様に不利な条件が盛り込まれていないか、入念にリーガルチェックをおこないます。
売買契約時には、一般的に仲介手数料や印紙税が発生しますが、中央プロパティーでは買主様にご負担いただいているため、売主様の費用負担は0円です。

通常、共有持分の売却にかかった費用は、売買代金から引かれて相殺されます。
業者によって、売却にかかる費用は異なりますので、事前に複数社比較しておくと良いでしょう。

2-4 ご契約後のアフターフォロー


売買契約が完了した後は決済を行い、所有権移転登記を行います。所有権移転登記とは、共有持分の名義を買主へ移転する登記のことです。基本的には決済日に合わせて登記が完了する流れで進めます。なお、売買契約時に現金一括で支払したりする場合は同日に決済を行うケースもあります。
共有持分の売却においては、売却後に共有者とトラブルになるケースも稀にあります。契約して終わり、ではなく、契約後もアフターフォローしてくれる会社を必ず選びましょう。
中央プロパティーでは、所有権移転登記の完了後に、万が一何かトラブルがあった場合も、社内の専属弁護士が万全フォローしますので、ご安心ください。

■3. 共有持分を売却する際の注意点


ここでは共有持分を売却する際の注意点を3つ紹介します。

3-1 共有持分の売却には費用が掛かる


共有持分を売却する場合、「仲介手数料」や「印紙税」等の費用が掛かります。以下の表は売買代金別の費用をまとめたものです。




さらに、土地の境界が不明確の場合は境界画定費用や測量費用、相続登記が未了の場合は、相続登記費用、住民票や印鑑証明書の取得費用がかかります。
先述の通り、売却費用が0円の業者もあるため、相談する不動産会社は慎重に選びましょう。

3-2 共有者の同意なしで売却できるのは自己持分だけ


共有者の同意を得ずに売却できるのは自己持分だけであり、不動産全体の売却は共有者全員の同意がないとできないため注意してください。
また、不動産全体の売却とくらべると、共有持分のみの売却価格は安くなります。

3-3 トラブルになりやすいため、共有持分の専門業者に相談す


共有持分の売却は、共有者とのトラブルになる可能性も高いため、共有持分を専門とする不動産会社に相談してから売却しましょう。他の共有者に売却の旨を伝えずに売ってしまうと、「勝手に売却した」と反感を買い、トラブルになる可能性も高いです。
売却後のトラブルにも対応してくれる共有持分専門の不動産会社を選びましょう。

■まとめ

共有持分の売却には登記識別情報(権利証)や固定資産評価証明書、測量図などさまざまな書類が必要です。
また、業者によって売却に掛かる費用や売却後のサポート範囲も異なるため、業者選びは複数社比較して慎重に検討しましょう。

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松原昌洙
専門家

松原昌洙(宅地建物取引士)

株式会社中央プロパティー

遺産分割における共有名義不動産の自己持分のみの売買、仲介を取り扱う。複雑な案件でも、これまでの経緯や心情に配慮しながら取引を進める。買取とは異なり、「できるだけ高く売りたい」という要望にも応える。

松原昌洙プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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