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松原昌洙

共有名義不動産の売買、仲介に強い不動産会社社長

松原昌洙(まつばらまさあき) / 相続アドバイザー

株式会社中央プロパティー

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コラム

自分の共有持分だけを売却したい!

2018年7月5日

テーマ:共有名義不動産について知っておくべきこと

コラムカテゴリ:住宅・建物

共有不動産のトラブルは深刻です。「何とかしてこのトラブルから解放されたい」と切実に願っている方の数は想像以上に多いのです。今回は、共有名義の不動産の一部売却について詳しく解説します。

共有名義不動産の一部売却について

共有名義不動産の一部売却について

共有名義不動産のトラブルが深刻な理由は、その不動産を売却するのも、変更を加えるのも共有者全員の同意が必要になることにあります。とくに親の家(実家)を子供たちが相続した場合、相続後、家をどうするかで揉めることがあります。

たとえば兄妹が実家を相続し、共有名義にしたとしましょう。兄も妹もすでに独立しており、実家に住むことは考えられません。そこで兄が「実家はもう誰も使うことはないのだから、売却してしまおう」と提案しても、自分が育った家に愛着がある妹が「そんなことはできない」と反対すれば、実家を売却することはできません。しかし、空家になっている実家の固定資産税は兄妹で払い続けなければなりません。

また、共有名義不動産の共有者(共有権者)の数が多ければ多いほど、全員の同意を得ることが難しくなり、売ろうにも売れない、言わゆる「塩漬け状態」になってしまうケースが少なくありません。こうした状態が長く続くと、共有者間に軋轢が生じ、感情的なもつれは解きほぐしようもないものになって行きます。そして、こうした状況から来る精神的なストレスは並大抵ではないのです。

しかし、共有名義不動産であっても、他の共有者の同意や承諾なしに売却できる部分があります。その「部分」とは、共有名義不動産に対する自己の「持分」です。これが「一部売却」です。
一部売却は、共有名義不動産のトラブルになんとか解決をつけたい、トラブルがもたらす苦しみから解放されたいときの選択肢になります。

「一部売却」の事例

A子さんには親から相続したアパートがあります。共有者は、A子さんの弟のBさん、Cさんで、持分はそれぞれ1/3ずつです。

アパートは、A子さんのお父さんが、知人から「老後の生活費(収入)のため」とすすめられて建てたものでした。しかし、入居率は当初考えていたようなものではなく、生前お父さんはよくA子さんに「あれは失敗した」と言っていました。そこで、相続後、A子さんは弟たちに売却を提案しました。家賃の分配についても問題が起きないか心配だったからです。

しかし、Bさんが「入居率が悪かったのはアパートの管理がだめだったからで、これからは自分が管理する。しばらく様子を見よう」と言うので、そのままにしておきました。

すると、Bさんから、「外壁をリフォームすれば、入居率が上がるから○○円出してくれ」、Cさんからは「外壁を直したってしょうがない。あそこはそもそも場所が悪いんだ。僕はお金を出したくない」など、アパートに関する要望や不満が度々、A子さんにやって来ます。アパートが原因で、Bさん、Cさんの仲が悪くなっていくのが分かります。

とうとう、Cさんが、「B兄さんは、あのアパートをメゾネットタイプにリニューアルしたいらしい。僕はそんなことはしたくない」と言ってきました。

そこで3人で話し合いましたが、BさんとCさんが「採算性はある」、「いや、ない」と口論するばかりです。結局、A子さんは売却したい、Bさんはアパートをリニューアルしたい、Cさんは現状維持、3人の意見はまとまりません。

その後もBさん、Cさんの諍いは続き、A子さんはほとほと疲れました。そして、このまま共有を続け、A子さんの息子に自分の持分が行くようになればどうなるかと考え、A子さんは自分の持分を売却することにしました。

その旨をBさん、Cさんに伝えると、自分たちが買うということになり、アパートは現在、Bさん1/2、Cさん1/2の持分になっています。

「一部売却」のトラブルは売却後も続く可能性がある

A子さんは、弟たちが持分を買い取ったことで、共有アパートをめぐるトラブルから離脱することができました。しかし、弟たちが「買わない」と言った場合、どうなるでしょう。

共有名義不動産の共有持分のみを買い取る人を探すのは非常に難しいのです。買う側の立場に立てば、それも当然です。共有によるトラブルから離脱したいために売る持分を「買います」と言う人がたくさんいるとは考えられません。

ところがA子さんの弟、Bさん、Cさんの間にその問題が持ち上がりました。アパート経営に積極的だったBさんが、「自分の好きなように運営できないなら、僕ももう嫌だ。持分を買ってくれ」とCさんに持ちかけたのです。しかし、Cさんは「安くするならいいけど。それが嫌なら、こっちは今のままでいい」と答えるばかりです。

こうした場合、Bさんには専門家の助けが必要になるでしょう。そして、その専門家に求められるのは、Cさんとの交渉を専門的な立場からサポートできると共に、Bさんの持分を第三者に売却するノウハウやネットワークも持つ専門家です。それは、不特定多数の人に不動産売買を仲介できる不動産業者ということになります。

この記事を書いたプロ

松原昌洙

共有名義不動産の売買、仲介に強い不動産会社社長

松原昌洙(株式会社中央プロパティー)

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