[会計・ファイナンス・IRの英語] ポートフォリオってどういう意味?
前回ご紹介した Mercedes-Benz Group Full Year で使わている文章、参考になることがたくさんあるので、後半で続きをご紹介します。
まだの方は、先ずこちらの記事を読んでください。
業績報告メールでは、報告したい最も大事なキーメッセージを軸に、メールを書くことが大切だとお話しました。
その後、背景のビジネス環境や、その結果をもたらした要因などを補足説明が続きます。
一般的に
contributing factor = 要因
と言われる、分析と記述のパートです。
背景状況・要因をどう伝えるか
ビジネスの結果は様々な要因が複雑に絡み合って導かれるものですが、報告のためのメールでは、それを整理して書くことが必要です。
切り口の例として、以下のような角度から主要な要因をしぼることがありますね。
- external factor 外部要因
- internal factor 内部要因
- primary factor 主要な要因
- secondary factor 二次的な要因
どのような整理の仕方が良いのは、業界や企業によって異なります。
一方、どのような状況でも共通するのは、
自分が知っていることを披露するのではなく、相手が知るべきことにフォーカスすること です。
財務や会計担当者は、細かい点を語り過ぎたり、大きな要素と小さな要素を強弱をあまりつけずに書く傾向があるので、気を付けてください。
箇条書きスタイルをうまく利用する
いくつの重要な要因にしぼっても、一つの文章で表現するのは、難しい場合があります。
英語ネイティブが書く文章では、いくつの要因を上手く取り込んで、一つの文章にまとめている場合もありますが、私たちがマネするのはハードルがやや高いです。
そんな時におススメなのが、箇条書きの利用です。
報告したい複数の要因に、特に強弱がなく、並列したい場合も箇条書きで並べると便利です。
こちらのレポートには、以下の文章があります。
Mercedes-Benz Group Full Year
”In 2021, good product mix, solid net pricing, continued cost-discipline and favorable used car performance lifted the adjusted Return on Sales (RoS) for the Mercedes-Benz Cars & Vans division to 12.7% in the full year."
「2021年には、良好な製品構成、堅実な正味価格設定、継続的なコスト管理、および堅調な中古車実績により、メルセデスベンツカー&バン部門の調整後売上高利益率は通年で12.7%に上昇した。」
これだけでもかなり長い文章ですが、実際はこの後も even as ~ として、~ の状況であるにもかかわらず・・・と続いています。
上記の文章は、複数の要因を主語にもってきて、利益率向上につなげたとする書き方です。
各要素に使われている表現は、難し過ぎない専門用語で、プロフェッショナルに響く言い方なので、ぜひ参考にしてください。
一方、複数要因を主語にもってくる書き方はやや高度。
以下のように書き替えてみることが可能です。
"The adjusted Return on Sales (RoS) for the Mercedes-Benz Cars & Vans division was up by 12.7% in the full year of 2021 reflecting the following:
- good product mix
- solid net pricing
- continued cost-discipline
- favorable used car performance"
"following" の代わりに、" due to" などを使うこともできます。
また、最初の文章は、主語(自分たち)を人にして、下記のように表現することも可能です。 プレゼンテーションなどにもこのアプローチは使えますし、より自然になる場合も多いです。
"We, Mercedes-Benz Cars & Vans division, increased the adjusted Return on Sales (RoS) by 12.7% in the full year of 2021 reflecting the following:"
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たくさん読むのも良いですが、一つをじっくり、今回ご紹介したような書き換え練習をしてみることも可能です。
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