外国人新入社員との出会いから考えた、留学生の進路選択

石川陽子

石川陽子

テーマ:人材育成


こんにちは。
エルロン代表、元人事 × 日本語教師歴12年の石川陽子です。

昨日、留学生が参加する合同企業説明会で、
就職支援講座の講師として
登壇する機会をいただきました。


講座後には、来場していた留学生の皆さんから
就職に関する相談を受けたり、
一緒に企業ブースを探したりする時間もありました。

昨日はネパール出身の学生が特に多く、
会場全体を見ても、90%が漢字を母語で使わない
国・地域の学生が多い印象を受けました。

日本語を学びながら、
日本で進学し、就職を目指している留学生たち。


その姿を見ながら、
あらためて考えさせられることが
たくさんありました。


その中で、
とても印象に残る出会いがありました。


今年、日本企業に新入社員として入社した
非漢字圏の外国人の方と
お話しする機会があったのです。


その方は、とても明るく前向きで、
自分の仕事にもとても積極的で、
ご自身の経験を、これから就職活動をする
留学生に丁寧に伝えようとされていました。

その姿がとても素晴らしく、
お話を伺いながら、
私自身も多くのことを考えさせられました。


特に印象に残ったのは、
その方が「進学先をどう選んだか」というお話でした。


留学生の多くは、
日本語学校で1年3か月から2年ほど学び、
その後、専門学校、大学、大学院などに進学します。


私自身、
日本語学校で進路担当をしていた頃は、
まずは学生が無事に進学先を決めることが、
とても大きなテーマでした。


特に、漢字を母語で使わない学生が、
2年以内にN2合格を目指し、
進学先で学べるだけの日本語力を身につけることは、
決して簡単ではありません。


大学・大学院へ進学するためには
JLPTのN2、N1が必要になることが多く
そのため、現実的には、
専門学校へ進学する留学生が多くいます。


そのため、現実的には、
専門学校へ進学する留学生が多くいます。


あ!!専門学校への進学が
よくないということでは全くありません!!

日本語学校の留学生に広く門戸を開き、
実践的な学びの場を提供されている専門学校は
たくさんあり、素晴らしい先生方がいらして
そこから就職を決め、
活躍してる外国人はたくさんいます。


それが大前提!である中で、
外国人材の就職支援に関わる中で、
あらためて感じていることがあります。


それは、
日本語学校からどの学校に進学するかは、
その後の就職の選択肢にもつながっている
ということです。


外国人留学生が日本で就職する場合、
在留資格が関係します。


特に「技術・人文知識・国際業務」の場合、
学校で学んだ内容と、
就職先で担当する業務との
関連性が重要になります。

そのため、
専門学校で学んだ学生の場合、
基本的には、専門学校で学んだ分野に
関連する仕事に就くことが
一つの大きな前提になります。


昨日お会いした外国人の新入社員の方は、
日本の大学を卒業し、
日本企業に就職された方でした。


その方は、
来日前に母国で大学を卒業していたため、
日本に来た当初は、
「できるだけ早く就職したい」
という思いもあったそうです。

そのため、
専門学校への進学も考えていたと話していました。
でも、どの仕事に就きたいか、
留学のタイミングでは決められなかったそうです。


日本語がまったくできない状態での
来日だったとのことで
まずは大学の別科で1年間日本語を学び、
その後、大学へ進学する道を選んだそうです。

大学進学をするかどうか・・・
自分は、母国で大学を出ているし、
入学すれば4年間の通学、学費もかかる・・
ということで、かなり迷ったそうですが

今振り返ると、その選択は、自分にとって
とてもよかったとお話しされていました。


大学で幅広く学んだこと。
いろいろな人と出会ったこと。
将来の選択肢が広がったこと。

その一つひとつが、
今の就職につながっているように感じました。


もちろん、すべての留学生に
大学進学を勧めればいいとは思っていません。

専門学校で専門的に学び、
その分野で就職を目指すことが合っている学生は
たくさんいます。


ただ、もし学生本人に、
まだやりたいことが明確にない場合・・
(このケース、結構あります)

将来の職種を、
まだ一つに絞りきれていない場合。

そのような学生に対しては、
留学生活の初期段階で
大学で幅広く学ぶという選択肢も、
もっと丁寧に伝えていく必要があるのかもしれない。

昨日の出会いを通して、
そんなことを感じました。


そのためには、
大学進学を目指せるだけの日本語力を、
限られた日本語学校生活の中で
どう育てていくのか。

ここにも、日本語教育の
大切なテーマがあると思います。


進学のための日本語。
就職につながる日本語。
自分の未来を選ぶための日本語。

日本語教育実践ラボの中でも、
研究員の皆さんと一緒に考えてみたいテーマが
一つ増えたように感じています。


昨日は、就活の現場で出会った
一人の外国人新入社員の方から、
留学生の進路選択について、
あらためて考えるきっかけをいただいた一日でした。



今年度、様々な自治体で
留学生向けのビジネス日本語講座や、
人材定着に関する講座を担当させていただいております。

無料でご活用いただけますので、お役立てくださいませ。


東京都・外国人社員とのコミュニケーション力向上支援事業

神奈川県・令和8年度就職支援講座

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

石川陽子
専門家

石川陽子(グローバル共創デザイナー、日本語講師)

株式会社aileron(エルロン)

アウトプット重視の「教えない日本語授業」で、短期間で話す力を育成。業界ごとのカリキュラムで、現場対応力も強化します。管理職向けの「やさしい日本語」研修も提供し、外国人材が活躍できる職場づくりまで支援。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

日本語教育を通じて社内コミュニケーションを円滑化する専門家

石川陽子プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼