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浅海理惠プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

【何から始める?子どものお箸使い&お箸の持ち方】お箸伝承のプロが促す5つのステップ

浅海理惠

浅海理惠

テーマ:子どもとお箸

―我が子には上手にお箸が扱えるようになって欲しい
―できるだけスムーズにお箸使いを身に付けさせてあげたい

日本で生活する多くの親御さんが一度は抱く願いではないでしょうか。
このコラムでは、離乳食期からできる5つのステップをお伝えします。

お箸使いの始め方5つのステップ

ステップその1

一言に「お箸使い」と言っても、実はその内容な多岐に渡ります。

  • 取り方/置き方(“家庭での躾の第一歩”とも言われる所謂“箸の上げ下げ”)
  • 持ち方/動かし方
  • やってはいけない箸使い(嫌い箸・忌み箸)
  • 休ませ方
  • 器との扱い方
  • お箸の使い分け
  • 礼儀

といったことなどです。
0歳から始められることは、何と言っても「礼儀」や「やってはいけない箸使い」でしょう。
フォークやスプーンで食器を叩いたり、食べ物を粗末に扱うことがいけないことであるとということは、どんなに幼くとも、伝えることも分かってもらうこともできます。

ステップその2

タイミングは、自分でフォークやスプーンを持つようになった頃。
この時期に声を大にしてお薦めするのが、フォークやスプーンを下持ちで持たせてみることです。
“握る”ことは赤ちゃんの頃からできます。
それは、上からでも、下からでも。
ですから、0歳児でも下持ちに抵抗はありません。
持ち方は握り持ちでもちろん十分。
この段階で下持ちを身に付けておくことによって、力加減の習得はもちろんのこと、お箸に移行する際、上→下から持つという一つのステップをスキップすることができるのです。

ステップその3

タイミングは、親御さんがそろそろお箸に興味を持って欲しいなと思った段階

食卓にフォークやスプーンと一緒にお箸を準備し、視界に入れます。
そして自分が持ちたい時には自由に持ち、扱わせてあげること。
ここでいくつかの注意ポイントがあります。

  • 力で持とうとしていると感じたら、フォークやスプーンで食事をするように促す
  • お箸を扱う時間は数十秒からスタートで十分!(自然と増えていきます)
  • 簡単な食材からチャレンジできるよう導く
  • 「そうじゃない」「それじゃ無理っ!」「できないね」といった否定語を言わない
  • 訊かれた時にだけ、持ち方のカタ(口ばし型)と、中指と人差し指の動きで箸先を動かすことを教えてあげる
  • 一瞬でも掴めたらこれ以上ないほどベタ褒め!

一番大切なことは、子ども自身が「私・僕できるかも!?」と感じること。
成功体験、喜び体験を沢山積んであげてください。

ステップその4

タイミングは、どの食材も一通りお箸を扱えそうだなと思った段階。
食卓から、スプーンをなくしましょう。
もともとお箸でいただく和食は、“すくう”という動作ができませんし、行ってはいけません。
そのために、“すくう”動作が必要な汁物はお椀でいただくようになっており、お椀は手に持ちやすいように小さく、熱伝導を少しでも和らげるために高台や糸底がついています。
そう、そもそも和食をいただくのにスプーンは基本的に不要なのです。

尚フォークは、まだ”割く”ことや、細かったり、薄かったり、ぬめりのある食材を掴んだり摘まんだりすることが苦手な場合に助けになりますので、もう少しより添えておきます。

ステップその5

いよいよお箸だけでの食事を始めるタイミング、それは何と言っても子ども自身がやる気になった時です。
誕生日や年度替わりなどのタイミングを上手に使うと良いでしょう。
沢山あるお箸で食事をする国の中でも、お箸の国と言われるのは日本だけ。
日本のお箸文化だけが、お箸だけで最初から最後まで食事を完結します。
それができたとき、それは正に我が子が(日本)人になれたときですよ。


― いかがですか。
お箸教育で一番大切なことは「ゆっくり、じっくり、無理なく行う」ことです。
それにお食事はそもそもありがたみを感じながら、尊び、楽しむもの
子どもが少しでも煮詰まったり、イライラしていたら、「フォーク使って良いよ」「また後でいっしょにやってみよう」となどと、さりげなくその時間を終わらせてあげて下さい。
初めはほんの数十秒しか持たなかったお箸も、毎日触れていれば必ず、確実にその時間は長くなっていきます。
ひとつずつ掴める食材が増えていく喜びを、是非お子さまと一緒に感じてください。

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浅海理惠
専門家

浅海理惠(マナー講師)

Les Misera Culture School

お箸使い教室は、個々人の癖、指の長さや手の大きさ、筋肉の付き具合に合わせたマンツーマン指導。マナーや所作の根底にある文化や心の面にまで踏み込んで導き、講演や講義も行う。風呂敷教室は、自己表現を重視。

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