“あとで説明するつもり”で勉強すると、なぜ記憶に残るのか

仁田楓翔

仁田楓翔

「勉強したはずなのに、すぐ忘れてしまう」
これは、多くの子どもたちが抱えている悩みです。

実際、
教科書を読んだり、
問題を解いたりしていても、

数日後には「あれ、何だっけ?」となってしまうことは珍しくありません。

では、
“記憶に残る勉強”と、“忘れてしまう勉強”の違いは、一体どこにあるのでしょうか。
実は近年の認知科学や教育心理学では、「あとで誰かに説明するつもりで学ぶ」というだけで、
記憶の定着率が高まりやすいことが分かっています。

これは、単なる気合いや根性論ではありません。

人間の脳の仕組みに関係しています。

「説明するつもり」で、脳の使い方が変わる


例えば、ただ教科書を読むだけの時、脳は比較的“受け身”の状態です。
しかし、
「あとで友達に説明しよう」「先生役として教えよう」と思った瞬間、脳は情報を“整理”し始めます。

どこが大事か
どう言えば伝わるか
何を先に説明するか
自分は本当に理解しているか

を考え始めるのです。

これを心理学では「生成効果」と呼びます。
人は、ただ読むよりも、

自分の言葉でまとめる
説明する
作り出す

という行為をした方が、記憶に残りやすくなります。

つまり、“受け取るだけ”ではなく、“自分で情報を作る側”になることで、脳が活性化するのです。

「思い出す行為」そのものが記憶を強くする


さらに、教育心理学では「テスト効果」というものも知られています。
これは簡単に言うと、“思い出そうとする行為そのもの”が、記憶を強くするという考え方です。

例えば、
問題を解く
誰かに説明する
内容を思い返す

こうした行為では、脳の中から情報を“取り出す”必要があります。
実はこの「取り出す作業」が、記憶を強化する重要な工程なのです。

反対に、
見るだけ
読むだけ
聞くだけ

の学習は、理解した気になっていても、意外と定着しません。

「わかった気がする」と「実際に使える」は、別物なのです。

BesQでは、“先生役”になってもらうことがあります


実際に、ステップアップ塾BesQでは、生徒に“先生役”をやってもらうことがあります。
ただし、堅苦しい発表ではありません。

「〇〇先生、教えてください(笑)」というような遊び感覚のやり取りです。
すると子どもたちは、意外なほど“先生になりきる”んです。
「まずここを書く!」
「そこ違う!(笑)」
「はい、もう1回!」

中には、私の話し方やクセを真似してくる子までいます(笑)
また、私自身が“生徒役”になります。「先生、わかりません〜」
と、あえて少し間違えると、「いや、そこ違うって!(笑)」「ちゃんと話聞いて!」
と、子どもたちが一生懸命説明してくれます。

ですが実はこのやり取り、ただ楽しいだけではありません。
この瞬間子どもたちの脳は、

思い出す
整理する
言葉にする
相手に伝える

という非常に高度なアウトプットを行っています。
つまり、“教える側”になった瞬間に、理解が一段深くなるのです。

「教えられる」は、本当に理解している証拠

勉強というと、長時間やる たくさん解く 必死に暗記することに目が向きがちです。
もちろん、努力は大切です。

ですが実際には、“誰かに説明するつもりで学ぶ”という小さな意識の違いが、記憶の残り方を大きく変えることがあります。

人は「読んだだけ」では忘れます。

ですが、説明する 教える 思い出して話すところまで行くと、
知識は“使える知識”へ変わっていきます。

BesQでも、こうした「楽しくアウトプットする学習」を大切にしています。
“覚えさせる”だけではなく、「自分の言葉で説明できる」ところまで持っていく。

その積み重ねが、子どもたちの「できる」という感覚を少しずつ育てていくのだと思います。

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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