「授業ではできるのにテストで下がる子の共通点──“単元依存思考”をどう克服するか」

仁田楓翔

仁田楓翔

「授業では理解しているように見えるのに、テストになると点数が取れない」
これは多くの保護者の方が感じる違和感ではないでしょうか。

一見すると「ケアレスミス」や「緊張」の問題に見えますが、実際にはもっと構造的な原因があります。

それが、“単元に依存した思考”です。
本稿では、この現象の本質と、その具体的な対策について解説します。

なぜ「授業ではできる」のか


授業中に正答できる子は、必ずしも「理解している」とは限りません。
多くの場合、
「今日はこの単元だから、この解き方を使うはずだ」
という前提のもとで問題に取り組んでいます。

つまり、
・問題文を精読しているわけではない
・条件から解法を導いているわけでもない
「提示された文脈に乗っているだけ」の状態です。
この状態では、正解できたとしても、それは再現性のある理解とは言えません。

テストで崩れる理由──“単元依存思考”の限界


テストでは、授業と異なり「ヒント」が存在しません。
・どの単元か明示されない
・複数の知識を横断して問われる
・出題形式が変わる

このような状況においては、「何を使うか」を自分で判断する力が求められます。

しかし、単元依存思考のままでは、
・問題の本質を見抜けない
・条件を整理できない
・適切な解法を選択できない
結果として、得点が大きく下がるのです。

本当に必要な力とは何か


点数を安定させるために必要なのは、知識量だけではありません。
重要なのは次の2点です。

① 問題を読んで判断する力
問題文から「何が問われているのか」を正確に捉える力

② 条件から考える力
与えられた情報をもとに、どの知識を使うべきかを選択する力
これはいわば、「思考の起点を自分に置く力」です。

指導における落とし穴──“説明しすぎ”のリスク


ここで注意すべきなのが、指導者側の関わり方です。
丁寧に説明すること自体は重要ですが、過剰な説明は逆効果になる場合があります。

なぜなら、
・理解した“気にさせる”
・自分で読む機会を奪う
・思考プロセスを省略させる
といった状態を生むからです。

特に、「ここはこう考えるんだよ」と先回りしてしまう指導は、思考力の育成を妨げる要因となります。

小テストの本当の目的


当塾では、毎回の授業で小テストを実施しています。
これは単なる確認や評価のためではありません。

目的はただ一つ、「ズレを早期に発見し、修正すること」です。
・問題を正しく読めているか
・自分で判断できているか
・再現性のある解き方になっているか

これらを客観的に確認するための手段です。
小テストは、生徒を試すものではありません。
“間に合ううちに修正するための仕組み”なのです。

点数を上げるために必要な視点


成績向上において重要なのは、「できたかどうか」ではなく「なぜできたのか」「なぜできなかったのか」を分析することです。

単元依存思考から脱却し、
・自分で読む
・自分で判断する
・自分で選択する
このプロセスを積み重ねていくことで、初めて本番で通用する力が身につきます。

授業でできることと、テストでできることは、必ずしも一致しません。
その差を生むのが、「思考の主体が誰にあるか」です。
・教えられて解けるのか
・自分で考えて解けるのか
この違いこそが、結果に直結します。

だからこそ、私たちは日々の指導の中で、“自分で判断する力”を育てることにこだわっています。

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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