スマホを机に置くだけで集中力は下がる ― 勉強中に脳のリソースが奪われる理由

仁田楓翔

仁田楓翔

スマートフォンは「存在するだけ」で認知資源を消費する


授業中や学習中、
スマートフォンを
・ポケットに入れている
・机の上に置いている
・教室の外に置いている
この違いによって、集中力に明確な差が生じることは、現場感覚としてもはっきりしています。

重要なのは、スマホを「操作しているか」ではありません。
「操作できる状態にあるか」です。

注意資源とワーキングメモリの消耗


人の脳が一度に使える注意資源やワーキングメモリには、明確な上限があります。

学習中は本来、
・問題文の理解
・解法の保持
・途中式の管理
といった処理に、これらの資源が使われます。

ところがスマホが近くにあると脳は無意識のうちに
「通知が来るかもしれない」
「今すぐ確認できる」
という選択肢の監視を続けます。

これは行動には表れませんが、
認知心理学的には
抑制制御を常に働かせている状態です。

つまり、スマホを我慢しているだけで、学習に使える脳のリソースが削られているのです。


ポケット・机・教室外で起きている差


同じ「使っていない」状態でも、脳への負荷は次のように変わります。

ポケットにある場合
 存在を意識しやすく、抑制コストが高い

机の上にある場合
 視覚刺激が加わり、注意の分散が起きやすい

教室の外にある場合
 選択肢そのものが消え、認知資源が学習に集中する

これは意志力の問題ではありません。
環境が、脳の使い方を決めているだけです。

「集中できない」は怠慢ではない


「集中力がない」
「すぐ疲れる」
「ミスが多い」

こうした状態は、努力不足や性格の問題として扱われがちです。

しかし実際には、限られた認知資源がスマホによって慢性的に分散しているケースが非常に多い。

特に子どもは、前頭前野の発達途上にあります。
大人以上に、環境の影響を直接受けやすいのです。

努力より先に、環境設計を


学習効率を上げるために、最初に見直すべきなのは勉強時間ではありません。

学習環境の設計です。
スマホを
・見えない
・触れない
・意識しない
場所に置く。

それだけで、集中の持続時間、理解の深さ、ミスの数は
明確に変わります。

学力は、本人の資質だけで決まるものではありません。

脳が集中できる環境が用意されているかその影響は、私たちが思っている以上に大きいのです。

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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