“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
「英語だけ、どうしても手がつかない」
「単語も文法もやらなければと思うのに、最初の一問で止まってしまう」
こうした声は、決して珍しくありません。
そして多くの場合、「英語が苦手」「向いていない」という言葉で片づけられてしまいます。
しかし、学習の現場で子どもたちを見ていると英語が進まない理由は
能力や意欲ではなく、処理の負荷の高さにあることが少なくありません。
英語は「同時に考えること」が多い教科
算数や理科、社会と比べたとき、英語には大きな特徴があります。
それは、一文を読むだけで、同時に意識しなければならないことが多いという点です。
たとえば
主語は何か
動詞はどれか
三人称単数だから s はつくか
語順は合っているか
熟語として覚えるべきか
日本語にどう訳せばよいか
これらを、ほぼ同時に処理する必要があります。
「分かっているのに進まない」理由
英語が苦手だと感じている子どもほど、実は文法の説明を理解していることも少なくありません。
それでも手が止まるのは、注意力が細かく分散され、エネルギーを使いすぎているからです。
理解できないのではなく、考えることが多すぎて、脳が疲れてしまう。
これが、英語に手がつけられなくなる正体です。
得点アップの近道は「がんばること」ではない
ここで重要なのは、「もっと集中しよう」「たくさん練習しよう」といった精神論ではありません。
むしろ必要なのは、意識しなくていい部分を、できるだけ減らすことです。
主語と動詞の見つけ方を固定する
三単現の s を考える順番を決める
和訳の型を用意する
熟語は一まとまりとして処理する
こうした工夫によって、一文あたりに使う力を減らすことができます。
英語は「高負荷な教科」だと知ることから始める
英語が進まないのは、怠けているからではありません。
英語は、もともと処理負荷の高い教科なのです。
だからこそ、力をかける場所を整理し、無駄な負荷を減らすことが、得点アップへの最短ルートになります。
英語に手がつけられない子どもに必要なのは、叱咤や根性論ではなく、
「どこで力を使いすぎているのか」を一緒に見直すことです。
負荷が下がれば、英語は「苦手な教科」から「取り組める教科」へと変わっていきます。
葛西にあるステップアップ塾BesQでは、英語を「がんばらせる教科」としてではなくどこで処理の負荷が高くなっているかを整理する教科として捉えています。
主語・動詞・三人称単数の s、語順、和訳
同時に意識する量を減らすことで、「英語に手がつけられない」状態から抜け出す子どもたちを多く見てきました。
英語が苦手だと感じている場合、努力の前に、学び方を見直す余地があるかもしれません。
葛西の塾ならステップアップ
著者プロフィール
ステップアップ塾BesQ 代表
発達支援士/教育コンサルタント
仁田楓翔



