覚えたのに忘れる原因  エビングハウスの忘却曲線と“忘れない勉強法”を解説

仁田楓翔

仁田楓翔

「昨日覚えた英単語がもう出てこない」
「テスト前に詰め込んだのに、いざ解くと忘れている」

こうした相談を日々受けますが
これは“やる気がないから”“能力が低いから”ではありません。

人間の脳が本来持つ仕組みがそうさせているだけです。

忘却は脳の防衛反応である


ドイツの心理学者エビングハウスは、記憶がどのように失われるかを実験的に測定しました。
結果は非常に有名な「忘却曲線」として残っています。

●20分後には約42%を忘れる
●1時間後には約56%を忘れる
●1日後には約74%を忘れる
●1ヶ月後には約79%を忘れる

つまり、「覚えた=定着した」ではないということです。

脳は、生命維持に不要と判断した情報を積極的に捨てます。
勉強した内容を忘れるのは正常な現象であり、だからこそ
“復習の設計” が学習において決定的な意味を持ちます。

では、どう復習すれば定着するのか?


鍵は 「忘れる前に再度取り出す=思い出す行為」 です。
単なる読み返しではなく、アウトプットを伴う復習が効果を最大化します。

▼最適な復習タイミング(忘却曲線に基づくモデル)
1回目:学習直後
2回目:24時間以内
3回目:1週間後
4回目:2〜3週間後
5回目:1ヶ月後
この間隔で「思い出す」練習を入れると、長期記憶への移行率が飛躍的に高まります。
これを間隔反復と呼び、現在では教育研究・医師国家試験対策・英語学習アプリなどで標準採用されています。

復習は“行動設計”にすると続く


復習は「気が向いたら」ではなく、スケジュールとして行動に落とし込むことが継続の鍵です。

例えば英単語30語を覚える場合の行動例を示します。
当日:テスト形式で10問×3セット
翌日:ランダムで再テスト(忘れた語だけ復習)
1週間後:ミニテスト+例文作り
2〜3週間後:音読・英作文で再利用
1ヶ月後:模擬テストで総確認
ポイントは「読むよりも、使う・思い出す・説明する」

このプロセスが脳への刺激となり、記憶は強く残ります。

受験生に伝えたいこと

勉強は“根性で長時間”より“短時間×再現×間隔反復”の方が成績は伸びます。
努力量ではなく、戦略が結果を変えます。
忘却曲線を知れば、記憶は敵ではなく味方になります。
私たちは忘れる生き物だからこそ、忘れる前に取り戻す設計が必要なのです。学習は才能ではなく技術。
正しい方法で積み重ねれば、記憶は裏切りません。


発達特性と勉強のつまずきに強い塾|葛西・ステップアップ


ステップアップ塾Besq(葛西)は、脳科学・学習心理・発達特性に理解のある指導を行い 忘却曲線を前提にした
「復習スケジュール設計」
「小テスト運用」
「アウトプット中心の学習」を取り入れています。

単に勉強を教えるだけでなく、
“忘れない仕組みづくり”と“できた経験の積み重ね”で
成績向上を目指す塾です。

勉強が苦手、覚えても忘れてしまう、集中が続かない、発達特性があって学習が不安。

そんな子でも、適切なステップと仕組みがあれば伸びていきます。

葛西エリアで学習にお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
体験授業も受付中です。

葛西のステップアップ塾Besqは科学的復習でサポート

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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