罰の教育はなぜ学力を下げるのか──脳科学が示す衝撃のメカニズム

仁田楓翔

仁田楓翔

罰で子どもを動かす教育はもう限界


宿題をしなければゲーム禁止
テストが悪ければ叱る
忘れ物をしたら怒鳴る
多くの家庭と学校で今なお使われている “罰を与える教育”

一見すると効果があるように見えますが、実はこれは 最も危険で、長期的な学力低下を招く指導法 です。

そして、心理学・脳科学・教育実務のどの観点から見ても、罰で動く子は伸びません。

理由はとてもシンプルで、罰は、子どもを“考える存在”ではなく
サーカスの動物のように“不快を避けて動く存在”へと変えてしまうからです。

強い表現ですが、これが現実です。

罰の教育は、サーカスの“調教”と同じ学習構造


サーカスの動物は、ムチや大声、恐怖、不快な刺激を避けるために芸を覚えます。

これは学習理論でいう「嫌悪刺激による条件づけ」

そして残念ながら大人が子どもに
叱る
罰を与える
ゲームを取り上げる
恥をかかせる
怒鳴る

といった方法で動かそうとすると、脳のメカニズムとして全く同じ反応が起きます。

つまり罰の教育は、人間を“動物的な反応”で動かしているにすぎないのです。


罰は“考える脳(前頭前野)”を止めてしまう

罰や怒鳴り声を受けると、子どもの脳では“恐怖中枢”である扁桃体が強く反応します。

扁桃体が過剰に働くと

前頭前野の働きが低下
論理的思考ができない
問題文の意味が入ってこない
落ち着いて判断できない
という状態になります。

つまり、叱れば叱るほど子どもは“考えられなくなる”のです。
これでは学力が伸びるはずがありません。


罰は“わかったふり”を生む──最大の教育リスク

罰のある環境では、子どもは 本当のことを言うよりも怒られないことを優先します。

その結果、

わからなくても「わかった」と言う
間違いを隠す
助けを求めない
難しい問題を避ける
という行動が習慣になります。

これはいわゆる “わかったふり” の状態で、この癖が中学・高校で深刻な学力停滞を引き起こします。

罰で動く子は“自分では動けない子”になる

罰の教育は、子どもの行動原理を怒られないためにやるに固定してしまいます。

すると、
大人が見ていないと学習しない
難しいことに挑戦しない
自分で判断できなくなる
罰がなければ行動ゼロ
という状態になります。

これは外発的動機づけの典型で、
自発的な“本物のやる気”が育たなくなる のです。

「罰をやめる=甘やかし」ではない

よく保護者の方から「叱らないと甘やかしになるのでは?」と質問されます。
結論は明確です。
罰を減らすことは甘やかしではありません。
罰よりも“学びやすい環境”を用意することが教育です。

必要なのは、子どもが失敗を恐れず、分からないと言え、助けを求め
考える力を発揮できるそんな環境です。

罰は従わせる力であって、育てる力ではない

罰は確かに即効性があります。しかしその代償として、
考える力
自分で動く力
本音を言う力
内発的動機づけ

といった“人間が成長するうえで最も大切な力”を奪います。

安心と成功体験で動く子は伸びていきます。
教育は支配ではなく、“未来を育てる仕事”であるべきです。

BesQでは、恐怖ではなく、安心 × 理解 × 成功体験
の3本柱で、子どもたちの成長を支えてまいります。


葛西の塾ならステップアップ 成績UPの最後の砦

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

プロのおすすめするコラム

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

生徒のやる気を引き出し、自信と心を育てる塾講師

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のスクール・習い事
  4. 東京の学習塾・進学塾
  5. 仁田楓翔
  6. コラム一覧
  7. 罰の教育はなぜ学力を下げるのか──脳科学が示す衝撃のメカニズム

仁田楓翔プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼