その日の“到達”が、勉強を一番定着させる理由 ー脳科学で読み解く「できた瞬間」の力

仁田楓翔

仁田楓翔

BesQ代表 仁田 楓翔

脳科学で読み解く「できた瞬間」の力


子どもが勉強した内容をしっかり覚えられるかどうか
そのカギは、実は“勉強時間の長さ”ではありません。

脳科学の研究では、
「できた!」と感じた瞬間の脳の反応こそが、
記憶を定着させる最大のスイッチになる
ことが繰り返し確認されています。

では、なぜ「できた瞬間」がそんなに強い力を持つのでしょうか。


記憶を強く残すのは “量” ではなく “到達の瞬間”


脳は、成功や達成を感じた瞬間に
ドーパミンという神経伝達物質を放出します。

ドーパミンは単なる やる気ホルモン ではありません。

情報処理をスムーズにする
記憶を司る海馬の働きを高める
「またやりたい」という意欲を生む
こうした働きがあることが分かっています。

つまり、「わかった!」「できた!」という到達の瞬間こそ、
記憶とやる気の両方を最も強く刺激する時間なのです。

どれだけ長く勉強しても、
その日の中でひとつも“できた実感”がなければ、
脳はほとんど記憶を残してくれません。

小さな達成が積み重なると、子どもは自分で伸び始める


学習心理学では、
行動 → 成功 → 自信
という成功体験のループが“やる気の正体”だと考えられています。

大きな目標でなくていい。

ページ数でも問題数でもなく、
「今日はここができるようになった」
という到達ラインがあれば充分です。

この積み重ねが、
子どもの自己効力感(=自分はできるという感覚)を育て、
勉強に対する姿勢そのものを変えていきます。

葛西の塾 Besqが“ノルマ達成型”にこだわる理由


私が運営するステップアップ塾Besqでは、
宿題や勉強時間の長さよりも、
その日の授業内で必ず「できた」を作ることを大切にしています。

到達目標を最初に提示
理解のポイントだけを短く伝える
できるまで何度でも反復
できた瞬間にすぐ次のステップへ
授業内で100%完結

これは、
脳科学と学習心理学が示す“最も効率のよい学び方”に沿った設計です。

特に、成功体験が少なく自信を失った子には
圧倒的な効果があります。

「うちの子、やる気がなくて…」は本当?


多くの保護者の方は、
「やる気がないから勉強しない」と感じがちです。

でも私は、やる気がないのではなく、「できた」が少なすぎるだけ
だと考えています。

できない時間を長く過ごすほど、脳はストレス反応を起こし、ますます集中できなくなります。

逆に、
小さくても「できた」がある日は、その後の行動・意欲・表情が全く変わります。

だからこそ、
その日の“到達”をつくることは、学力よりも先に子どもの自信を育てる大事な仕事なのです。

勉強が苦手な子ほど、最初に必要なのは「努力」ではありません。

“できた”を感じられる学び方です。

この小さな成功体験が積み重なって、子どもたちは自信を取り戻し、やる気を取り戻し、そして気づけば大きく成長していきます。

今日の“ひとつの到達”が、子どもの未来を変える一歩になります。

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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