【教育心理コラム】 「叱られるからやらない子」になっていませんか? 自己効力感を守る叱り方と、子どもが成長する言葉がけの技術

仁田楓翔

仁田楓翔

「怒られるから隠す子」に育つ“誤った叱り方”


「なんでこんなこともできないの?」

「悪い子だね」

こうした言葉が日常的に使われていませんか?

親や教師にとっては“ただの注意”でも、子どもの認知には強烈なメッセージとして刻まれます。

多くの子どもは、叱られた“内容”よりも、
“トーン”や“表情”に反応します。

そして「怒られるからやめよう」ではなく、

「怒られるからバレないようにやろう」という

表面的な自己防衛反応へと変化します。

「あなたは悪い子」→ 「その行動がよくなかった」


ここで大切なのが、行動と人格を切り離して伝えることです。

「あなたが悪い」→ 自己否定・不安・劣等感

「その行動が相手に迷惑だった」→ 認知の修正・共感力の育成

特に思春期の子どもは、評価への敏感性が高まり、人格否定と受け取るリスクが大きくなります。

これにより、自己効力感(自分はできるという感覚)が大きく損なわれ、行動回避・不登校・反抗的態度などにつながる可能性があります

自己効力感が壊れると、学力にも影響が出る


教育心理学の研究では、自己効力感が高い子どもほど、粘り強く・挑戦的に学ぶ傾向があることが示されています。

逆に、過度に叱られたり否定的な環境に置かれた子は、

小テストでも「どうせ無理」と思う

わからない問題に手をつけない

他人との比較で自己価値を測るようになる

という学習意欲の低下=成績不振

=さらなる自己否定という負のループに入りがちです。

ではどう叱ればいいのか?


心理的安全性を守りながら、正しい行動を学ばせるには

行動の「理由」と「結果」をセットで伝える
→「無断で使ったことで、○○さんが困ったね」

「次はどうすればいいか?」を一緒に考える
→ 問題解決スキルと思考力を育てる

タイミングは“感情の波”が落ち着いてから
→ 感情的な指導は理解より恐怖を植えつける

本人の良い面も同時にフィードバック
→ 自己否定の連鎖を断ち切る


教育は、“怒る”ことではなく“育てる”こと


ステップアップ塾BesQでは、こうした「声かけ・言葉の質」に強くこだわった指導を行っています。

指導前に感情を受け止める
できたことにしっかり言及する
間違いは“学びの入口”として扱う

叱ること=子どもの否定ではありません。

「あなたならできるよ」と、行動の裏にある可能性を信じること。

それこそが、教育における最大の支援だと私たちは考えています。


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仁田楓翔
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仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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