“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
英語ができない本当の理由は、日本語にある
「英語がなかなか伸びないんです」
こうしたご相談を受けるたびに、私はまず日本語力を確認します。
なぜなら、英語が苦手な子の多くは、英語以前に日本語の文構造や意味理解に課題を抱えているからです。
文法が苦手な子の共通点:「主語・述語・目的語」があやふや
例えば、英語でよく出てくる「SVO(主語・動詞・目的語)」の基本文型。
これが理解できない背景には、「日本語の主語・述語・目的語」がしっかり身についていないというケースが非常に多いのです。
実際、授業中に「この文の主語はどれ?」と尋ねると、日本語でも即答できない子は少なくありません。
この状態で英語の文を訳そうとすると、「単語の意味は分かるのに、文が読めない」という壁にぶつかります。
日本語力を鍛えることで、英語力が劇的に伸びる
ある中学生の生徒は、入塾当初の英語の定期テストで20点台という状況でした。
単語暗記はそれなりにしているのに、長文や文法問題で大きく失点していたのです。
そこで私は、英語を教える前に「日本語の文の構造」を徹底的に復習しました。
主語と述語を見つける練習、文を分解して意味を考える練習を丁寧に重ねた結果
次のテストでは70点以上を記録。英文法の理解が深まり、長文読解でも内容が自然に頭に入るようになっていました。
英語は「外国語」ではなく、日本語の延長線上にある
英語を伸ばすためには、単語暗記や文法ドリルよりも先に、日本語で論理的に考える力を育てることが何より大切です。
文の構造が見えるようになると、英語は“訳す”のではなく“理解できる”言語に変わります。
日本語という母語の土台がしっかりしていれば、英語も確実に伸びていきます。
信頼できる教師の視点から
英語の成績は、「センス」や「努力量」ではなく、教え方と順序で大きく変わります。
私は多くの生徒を見てきましたが、「日本語力」を鍛えることで、英語が苦手だった子が短期間で劇的に伸びる例は枚挙にいとまがありません。
もし英語の伸び悩みでお困りでしたら、まず「日本語」を見直してみてください。遠回りに見えて、それが最も確実な近道です。
仁田 楓翔(BesQ代表/教育ディレクター)
子どもの「自己肯定感 × 成績UP」にこだわった指導で、英語20点→70点など多くの成功例を持つ。



