“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
「勉強も仕事も、努力と根性でやり遂げるべきだ」――長く日本で美徳とされてきた価値観です。
しかし現代では、ただがむしゃらに頑張るだけでは成果どころか心身を削る結果につながりかねません。
大切なのは、自分の時間とエネルギーをどこに使うかを見極め、最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることです。
バッファを取る勇気
効率を高めるためには、実は「余白」を確保することが欠かせません。
たとえば試験の日に筆記用具を余分に持っていく、会場には開始1時間前に到着する――これらは単なる慎重さではありません。
時間や物理的なバッファは、そのまま心のゆとりとなり、予期せぬトラブルに冷静に対応する力を生み出します。
小さな前進が大きな推進力に
どんなに小さな一歩でも「前に進んでいる」という手応えは、次の一歩を踏み出す力になります。
完璧を目指して全力疾走するよりも、毎日少しずつ積み上げるほうが、長期的にははるかに大きな成果につながります。
努力と根性を完全に否定するわけではありません。
しかし、それだけを唯一の武器にしてしまえば、心も体も疲弊して足が止まってしまうのは明らかです。
賢い努力が未来を拓く
「頑張り続ける」よりも「仕組みを整える」。
バッファを取り、優先順位を見極め、着実な前進を積み重ねる――。
この“賢い努力”こそが、勉強にも仕事にも、そして人生そのものにも、持続可能な成長をもたらします。
努力と根性に代わる新しい成功のキーワードは、「余白」と「一歩」です。
この二つを味方につけたとき、人はもっと自由に、もっと遠くへ進むことができるのです。



