努力すれば報われる？その常識を疑う

「努力すれば必ず報われる」――日本の教育現場で長年信じられてきた言葉です。
しかし私は、多くの生徒を指導してきた中で、この言葉が子どもたちを苦しめているのではないかと感じるようになりました。

真面目に宿題をこなし、先生の言うことを守っているのに成績が伸びない。そんな子どもたちが実際に数多く存在します。努力しても結果が出ないとき、子どもは「自分はダメなんだ」と思い込み、勉強に背を向けてしまうのです。

脳科学と心理学が示す“努力の落とし穴”

脳科学の研究では、強制された学習は長期記憶に残りにくいことが明らかになっています。

心理学の実証研究でも、自己肯定感の低い子どもは失敗を極端に恐れ、挑戦を避ける傾向があるとされています。

つまり、「努力が足りないからもっとやれ」と追い込むほど、脳は学習効率を下げ、心は挑戦を遠ざけてしまうのです。

戦後の大量暗記型教育の延長では、AIが知識を瞬時に検索する現代に対応できないのは当然といえるでしょう。

書籍に込めた思い

こうした現場での気づきと科学的知見をまとめ、一冊の本にしました。

『教育の99%は間違えている』
です。

タイトルは挑発的かもしれませんが、それほどまでに「教育の常識」が子どもたちの未来を縛っているのです。

私は本書で、「自己肯定感を土台にし、子どもの力を自然と伸ばす教育メソッド」を体系的に紹介しました。