“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
「叱って伸ばす」教育法は、本当に子どもの成長につながるのでしょうか。
脳科学や教育心理学の研究では、叱責は一時的な成果を生む一方で、長期的には学習意欲や自己肯定感を損なうリスクがあることが明らかになっています。
本記事では、脳の仕組みに沿った褒め方・関わり方を解説し、やる気と成績を同時に伸ばす方法をご紹介します。
「叱って伸ばす」が短期的な成果しか生まない理由
叱られたとき、脳内では扁桃体が活性化し、防御反応が働きます。
この状態では前頭前野や海馬の働きが低下し、記憶や思考が鈍ります。
一時的に行動が改善されても、長続きしないのはこのためです。
長期的には学習意欲と自己肯定感を低下させる
叱責が続くと、やる気の源であるドーパミン分泌が減少します。
結果として、「どうせできない」「怒られるからやらない」という固定型マインドセットが強化されます。
脳科学に基づいた効果的な褒め方
努力や工夫を具体的に褒める
例:「さっきより速く計算できたね」
小さな成功体験を積ませる
→ 自己効力感を高め、挑戦意欲を継続。
失敗を改善のきっかけに変える
→ 「どう直せば良くなると思う?」と自分で考えさせる。
保護者ができる“やる気と成績を同時に伸ばす関わり方”
結果よりもプロセスを重視
叱るよりも、安心して挑戦できる環境づくり
学習意欲の低下サインを見逃さない
「叱って伸ばす」は短期的な成功をもたらす一方で、長期的には失敗に終わる可能性が高い指導法です。
脳科学と現場経験が示すのは、褒め方・関わり方を変えるだけで、子どものやる気と成績は同時に伸ばせるという事実です。
保護者や指導者こそ、「叱るより褒める」新常識を実践していくことが求められます。



