疲れたら“脳の部位”を切り替えよう──集中力が切れたときの科学的リセット法

仁田楓翔

仁田楓翔

サクサク進む勉強は「ずっと」は続かない


勉強に集中していると、「今日は調子がいい」「どんどん進む」と感じることがあります。

これは一見理想的な状態ですが、実は“集中し続ける”ことそのものに限界があります。

脳には使用している部位に“疲労”が蓄積していく性質があるため、やがてパフォーマンスは落ちていきます。


なぜ集中力は切れるのか?──脳のオーバーヒート


私たちの脳は、作業内容に応じてさまざまな部位を使い分けています。

たとえば論理的な課題に取り組んでいるときは主に前頭前野が活性化していますが、同じ部位を長時間酷使していると、情報処理能力が一時的に低下し「頭が回らない」と感じるようになります。

これは決して“やる気がない”わけではなく、脳の仕組みによる自然な現象です。

脳の“部位スイッチ”でリフレッシュする方法


ここで効果的なのが、「脳の使用部位を切り替える」ことです。たとえば立ち上がってストレッチをする、軽く体を動かす、簡単な掃除をする

こうした“運動系”の行動を取ることで、脳の活動は一時的に運動野や小脳へと移動します。

この切り替えにより、論理的思考を担っていた前頭前野が“休息”状態に入り、再び学習に取り組む際には新たなエネルギーで集中できる状態が生まれます。

脳科学の観点から見ても、これは極めて理にかなったリフレッシュ法です。

5分の運動が、次の30分を変える


「疲れたからといって、無理に机に向かい続ける」のではなく、「5分だけ体を動かしてみる」。

これが、集中力を持続させる最良のコツです。

人間の脳は“部分的な休息”によって長時間のパフォーマンス維持が可能になります。

「勉強しなさい」よりも、「ちょっと動いてから、もう一度やってみようか?」という声かけが、子どもの集中を取り戻すきっかけになるかもしれません。

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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