“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
ある日、生徒が自分からこう声をかけてきました。
「先生、追加でプリントやってきたよ!教えて!」
とても嬉しそうな表情で、ノートを手に。
私は思わず笑顔で答えました。
「はい。全部みますとも。」
「難しかったところあった?」
「楽しかった?」
その何気ない会話のひとつひとつに、私は心が温かくなります。
そして、ただただ誇らしい。
「学び」がその子の中で“自分ごと”になった瞬間を見た気がしたからです。
勉強を「やらされごと」から「自分ごと」へ
多くの子どもたちは、最初は「勉強=やらなきゃいけないもの」と思っています。
でも、ふとしたきっかけで「自分で進める」楽しさや誇らしさを知ると、
勉強に対する姿勢がガラリと変わるのです。
そのスイッチが入る瞬間は――
「できた!を見てもらえる」経験にあると、私は考えています。
「見てもらえる喜び」が、次の一歩になる
わからなかった問題を聞けた
プリントをやってきたことを報告できた
自分から「楽しかった」と言えた
こうした“自分からの行動”を、
否定せず、誇らしく受けとめてあげること。
それが、次のチャレンジへのエネルギーになります。
子どもたちが「わかる」を超えて、「やってみた」「聞きたい」と感じるようになったとき、
その姿はとてもまぶしく、頼もしいものです。
私は、そんなやりとりがたまらなく好きです。
そして、どんな成果よりも、そうした“自分で進む力”こそが一番の宝物だと信じています。
「できた!」を見てもらえる場所。
「もっと知りたい!」を受けとめてもらえる時間。
そうした日常の中にこそ、子どもたちの未来を変える力があります。
小さなやりとりを、ていねいに。
そんな教育を、私はこれからも届けていきたいと思います。



