“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
勉強したのに覚えていない…」そんな経験は誰しもあるはずです。
暗記に苦手意識をもつお子さんに、ぜひ取り入れていただきたいのが「エアー授業」という学習法です。
これは“自分が先生になったつもりで教える”という手法で、脳科学的にも効果が実証されている記憶定着法のひとつです。
記憶には大きく分けて「意味記憶(知識や概念)」と「エピソード記憶(体験や出来事)」の2種類があります。
特に後者のエピソード記憶は、感情や五感と結びついて長期的に残りやすいことが知られています。
この性質を活かした学習法が、「エアー授業」です。
これは、生徒自身が先生になったつもりで、まるで目の前に誰かがいるかのように声に出して授業をするという方法です。
英語であれば「教科書の内容を説明する」、歴史であれば「ある時代の出来事を時系列で語る」といった具合に、自分の言葉で再構築してアウトプットすることがポイントです。
このとき、途中で言葉に詰まったり、説明に自信がなかったりする箇所こそが“理解が曖昧”な証拠です。
これによって、自分がどこを覚えていないのかを可視化でき、再学習の精度が高まります。
また、この学習法は「思い出すこと自体が記憶の強化につながる」という想起練習(リトリーバル・プラクティス)の理論とも一致します。
繰り返しエアー授業を行うことで、情報はより深く脳に刻まれていきます。
特別な道具も不要で、ひとりでもすぐに取り組める「エアー授業」
記憶定着に悩むお子さんや、テスト前に効果的な復習をしたい方にこそ、おすすめの学習法です。



