“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
「宿題は必ず真面目にやりなさい。」
そう教わってきた方は多いのではないでしょうか。もちろん、宿題をこなすことは学習習慣の基本です。
でも、実は成績がなかなか伸びない子ほど、“全部の宿題を真面目にやりすぎている”という傾向があるのです。
宿題には「真面目にやるべき」と「手を抜いていい」ものがある
まず前提として、宿題は全体としてやるべきものです。
しかし、その中身によって取り組み方を変える判断力が求められます。
真面目にやるべき宿題=演習・アウトプット系
たとえば、
計算練習
一問一答の演習プリント
英語の英作文や問題演習
こうした「考えて解く」「間違えて学ぶ」タイプの宿題は、成績に直結する“アウトプット練習”です。
何度も繰り返すことで自分の理解が明確になり、弱点発見→対策→得点力UPにつながります。これは真面目に取り組むべき宿題です。
真面目にやりすぎてはいけない宿題=作業・写経系
たとえば、
英単語を100回書く
教科書や板書をノートに写す
ノートまとめを丁寧に、色ペンでデコレーション
こうした宿題は、「やった感」はあるけど、頭には残らないことが多いのです。
真面目な子ほど、丁寧に仕上げようとしますが、それに1時間以上かけてしまったら損失です。
その時間で一問でも演習した方が、記憶定着に効果的です。
目指すべきは「まずまずの完成度」で、残り時間は暗記や復習に
作業系の宿題は、「提出できる最低限の質」でサクッと終わらせる」のが得策。
その分の時間と体力を、「演習」や「暗記」に回すのが、“成績を上げる子の戦略”です。
「真面目にやれば成績が上がる」とは限りません。
成績を伸ばしたいなら、宿題の中身を見極めて、戦略的に取り組むことが大切です。
限られた時間の中で何を優先すべきか。
その判断力こそ、真面目な子にこそ身につけてほしい“学習戦略”なのです。



