“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
東大式学習法」は誰にでも効くのか?
SNSや書店に並ぶ教育本の中には、
「東大生が実践した勉強法」
「〇〇式で偏差値が20上がった」といった華やかなキャッチコピーが溢れています。
保護者としては「わが子にも試してみよう」と思うのも自然なことです。
しかし、ここに注意が必要です。
こうした「〇〇式」の多くは、その勉強法が“誰にでも再現できるか”という視点が抜け落ちているのです。
成功談は“方法”ではなく“結果”かもしれない
「ある人が成功した方法」が、すべての子どもに当てはまるわけではありません。
実際、心理学や教育学の研究では、勉強法の効果は「学習者の特性」「環境」「目的」によって大きく変わることがわかっています。
たとえば、東大生が効果的だったという暗記法が、別の子どもには苦痛でしかなかったり、理解を深めないまま「とりあえずマネする」ことで逆効果になるケースもあります。
「学習法」よりも「学び方を学ぶ」ことが重要
では、どうすれば良いのでしょうか?
大切なのは、「この方法が効く」ではなく、「なぜこの方法が効くのか」「自分には合うのか」を考える力を育てることです。
たとえば、暗記が苦手な子には「音読」より「図解」の方が合っているかもしれませんし、理解型の子には「先に問題を解いてから復習する」方が効率的です。
つまり、「自分に合う勉強法を見つける」ことこそが、最大の学習戦略になるのです。
情報に振り回されないために、親ができること
保護者としては、目の前に並ぶ
「〇〇式」や「最新の勉強法」に飛びつく前に、
次の3つを意識してみてください:
“子どもの学びの特性”を観察する
「方法」より「考え方」に目を向ける
“続けられる学び方”を一緒に探す
勉強法は「手段」であり「目的」ではない
成績を上げるための手段が、いつしか“目的化”してしまう。
これはよくある落とし穴です。
「〇〇式でうまくいった人もいる」ことは事実。
でも、わが子がうまくいくとは限らないという前提を持ちながら、“本当に必要な勉強法”を一緒に探す姿勢が、子どもにとって最も心強いサポートになるはずです。



