勉強の効率を上げるには「遊び」が必要?脳科学が教える最適な休息法

仁田楓翔

仁田楓翔

「勉強には“遊び”が必要?」―集中力を高める“ディーププレイ


頑張る子どもたちの姿を見て、「休まずに勉強すれば成績が伸びる」と考えてしまう保護者の方は少なくありません。しかし、長期間の学習において最も重要なのは、質の高い“休息”なのです。

疲れを我慢すると、思考が鈍る


長時間の学習によって体調が悪くなることはよくありますが、もっと深刻なのは“思考力の低下”です。やる気はあるのに集中できない、問題文が頭に入ってこない──。

これは単なる“疲れ”ではなく、脳の処理能力が落ちているサインです。

脳は筋肉と同じように「使えば疲れる」構造をしています。連続して同じ回路を使い続けると、効率が下がり、誤作動も増えてしまいます。

では、どんな“休息”が学習効率を高めるのか?


休むといっても、ただゴロゴロするだけでは脳は回復しません。ここでカギとなるのが「ディーププレイ(Deep Play)」です。


ディーププレイとは、“自分にとって意味のある遊び”のことを指します。

たとえば──

絵を描く

楽器を奏でる

LEGOで創作する

詩を書く、物語を作る

こうした活動は、勉強とは異なる脳の回路を使います。つまり、「勉強で使って疲れた脳の一部を休ませつつ、別の部分を活性化させる」ことができるのです。

これは、ただの“気分転換”ではありません。創造的な遊びは、集中力・自己効力感・感情調整機能を高めると、近年の心理学研究でも注目されています。

遊ぶことは“サボり”ではない


「遊んでいる暇があったら勉強しなさい!」という言葉は、時に逆効果になります。質の高い学習には、“意図的に遊ぶ時間”が不可欠なのです。

私たち大人も、仕事漬けの毎日では創造性が枯れてしまいます。子どもにとっての“遊び”は、学びを支える大切な栄養。短距離走ではなく長距離マラソンのように、ペース配分を考える時代です。

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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