「スマホが学力を下げる本当の理由」〜親が知っておきたい脳科学的リスク〜

仁田楓翔

仁田楓翔

スマホの使いすぎが、学力低下を引き起こす理由とは?


最近、子どもの学力低下が社会問題として取り上げられる機会が増えています。その原因の一つとして注目されているのが「スマートフォンの使いすぎ」です。

驚くことに、かのスティーブ・ジョブズ氏やビル・ゲイツ氏は、自分の子どもにスマホをほとんど使わせなかったことで知られています。テクノロジーを生み出した本人たちが、子どもには制限をかけていたという事実は、私たちに多くのことを示唆しています。

スマホが脳に与える“見えない影響”


スマホの長時間使用が招く弊害として、「依存」「孤独感」「睡眠の質の低下」などが挙げられますが、特に深刻なのが「学力の低下」です。

その主な原因は、「マルチタスク」にあります。スマホは非常に便利な道具です。動画を見ながら勉強したり、LINEの通知に返信しながら宿題を進めたり――一見、効率的なように見えますが、実はこれが脳にとって大きな負担になっています。

人間の脳は「同時進行」が苦手


私たち人間の脳は、一度に一つのことにしか集中できない構造になっています。勉強をしながらスマホを操作すると、脳はタスクの切り替えを何度も行う必要があり、そのたびにエネルギーを消耗します。

この「タスク・スイッチング」により、集中力は削がれ、記憶の定着が著しく悪くなります。つまり、「スマホで勉強している」つもりでも、記憶の形成に必要な神経回路がうまく作られないのです。

スマホ依存は“デジタルドラッグ”?


さらに注意したいのが、スマホの依存性です。SNSや動画アプリには、見るたびに“新しい刺激”が得られる設計がなされており、脳が快感物質であるドーパミンを放出します。これはアルコールや薬物と同じメカニズムであり、使用をやめられなくなる要因となっています。

まずは「スマホ時間」を見直してみよう


スマホを完全に手放す必要はありませんが、「学ぶ時間」と「使う時間」を明確に分けるだけでも、集中力は劇的に変わります。

たとえばこんなルールから始めてみてはどうでしょう。

勉強中はスマホを手の届かない場所に置く

LINEや通知は時間を決めてまとめてチェックする

勉強アプリを使う場合は、1回の使用時間を制限する

スマホは使い方しだいで「便利なツール」にも「学力を削る毒」にもなります。
だからこそ、“使いすぎない習慣”を子どもと一緒に育てることが、今の時代に必要な家庭教育なのです。

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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