“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
「ちゃんとノートにまとめたのに、テストで点が取れないんです…」
そんな声を、私たちは何度も耳にしてきました。
実は、「ノートをきれいに書く=勉強している」と思い込んでいる子どもたちが、非常に多いのです。
でも、それは大きな誤解です。
ノートまとめに潜む“落とし穴”
ノートをていねいにまとめることは、確かに一見「がんばっている」ように見えます。
しかし、教科書や板書をただ写しているだけの作業では、脳はほとんど働いていません。
それは、ただ「右から左へ写しているだけ」。
いわば、読書感想文を写経して書くようなものです。
「考える」も「覚える」も起きていないなら、それは“学習”ではなく“作業”なのです。
点数を上げるには「思い出す」「つなげる」動作が必要
学力とは、「覚えたことを使って、問題を解ける」力のこと。
そのためには、頭の中で以下のような動きが必要です。
記憶を呼び出す(想起)
知識同士をつなげる(関連づけ)
問題に当てはめる(応用)
こうした思考が起きて初めて、本当の勉強になります。
ノートは“暗記のための道具”として使おう
ノートは、きれいにまとめるためではなく、自分の記憶を定着させるために使う道具です。
おすすめは、
空欄を作ってあとから埋める
自分の言葉で書く
あえて書かずに「思い出す」訓練をする など
つまり、「書くこと」を目的にするのではなく、
覚えるための手段として使う意識が大切なのです。
見た目より中身。脳が働いた時間こそ“勉強した証”
「ノートはきれいなのに成績が伸びない」
そんなときは、ぜひ振り返ってみてください。
“頭を使っていた時間”は、どれくらいあったか?を。
勉強とは、「脳に汗をかくこと」。
紙とペンは、そのためのツールでしかないのです。



