「何を覚えるか」で記憶法は変わる。効率的な学びのための“マクロ暗記”と“ミクロ暗記”の使い分け

仁田楓翔

仁田楓翔

勉強において「覚える」という作業は避けて通れません。
しかし、すべてを同じように暗記しようとすると、時間も労力もかかり、効率が悪くなってしまいます。

記憶には、対象によって適した“方法”があります。
私が指導現場でよく伝えているのは、「マクロ暗記」と「ミクロ暗記」を区別することです。

マクロ暗記:全体の構造をつかむ記憶法


マクロ暗記とは、全体の流れや構造、枠組みを頭に入れる記憶法です。
一言一句を覚えるのではなく、大まかな流れを再現できればよいという学習に向いています。

たとえば
プレゼンやスピーチ
数学の証明や論理展開
歴史の流れや因果関係

などは、細部よりも骨格となる構造を理解して記憶することが重要です。

このような記憶には、図やマインドマップ、要点の音読などが有効です。


ミクロ暗記:細部まで正確に覚える記憶法


一方、ミクロ暗記は一語一語、正確に記憶する必要がある学習に向いています。

たとえば
英単語・漢字
公式・語句の定義
英文や古文の書き取り

などは、正確さが問われるため、繰り返しの演習が欠かせません。
このような学習には、音読・書き取り・反復テストといった方法が効果的です。

覚え方は「中身によって選ぶ」べき


多くの人が、すべての学習を「丸暗記」で済まそうとし、結果的に記憶の定着が弱くなっています。
しかし、本当に大切なのは、「これはマクロ型?それともミクロ型?」と意識して覚え方を切り替えることです。

記憶の効率は、「工夫次第」で大きく変わります。
そして、記憶力とは生まれつきの能力ではなく、“戦略”で伸ばせるスキルでもあるのです。

今後もこのコラムでは、学びを加速させる科学的な方法や、子どもたちの「できた!」を増やすヒントを発信していきます。

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仁田楓翔
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仁田楓翔(塾講師)

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自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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