“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
「勉強」と呼ぶのをやめてみる?
私たちは、子どものやる気や行動力を引き出そうと、「勉強しなさい」「宿題やったの?」「もっと頑張りなさい」と声をかけがちです。
しかしそのたびに、子どもがため息をついたり、不機嫌な顔をする…。
そんな経験、きっと多くの方があるのではないでしょうか。
実はこの“拒否反応”、子どもの怠慢でも反抗でもありません。
それは、「勉強」という言葉に無意識に貼りつけられた「心理的ハードル」が原因なのです。
ラベリング理論:言葉が行動にブレーキをかける
心理学には「ラベリング理論(Labeling Theory)」という考え方があります。
ある行動や対象に“名前”や“ラベル”を与えることで、その対象に対する捉え方や感情が変化してしまう、というものです。
「勉強」という言葉には、学校教育やテスト、叱責の記憶など、ネガティブなイメージが積み重なりがちです。
その結果、“やるべきだとわかっているけれど気が重い”という状態が常態化してしまう。
そこで一つの工夫として、あえて「勉強」という言葉を使わないという戦略があります。
たとえば、「プリントチャレンジ」「クイズタイム」「知識バトル」など、活動そのものにポジティブで柔らかい名称をつけてみるだけでも、子どもの心理的抵抗感が減ります。
これは、大人が「筋トレ」と言われるとやる気が出ないけれど、「フィットネスチャレンジ」と言われると気軽に取り組めるのと似ています。
行動を「点数化」することで、やる気は内側から湧いてくる
もうひとつの強力な仕掛けが、「行動の数値化」です。
行動経済学や行動心理学の分野では、「努力の可視化」がモチベーション維持に有効であることが、さまざまな実験で明らかになっています。
たとえば…
ノートを開いたら+1点
漢字を5個書いたら+3点
教科書を読んだら+2点
自分から始めたらさらに+5点!
このように、成果ではなく“行動”を加点対象とするのが最大のポイントです。
「正解かどうか」や「テストの点数」ではなく、“取り組んだという事実”を見える化することで、子どもの自己効力感(self-efficacy)を育むことができます。
減点主義ではなく、加点主義で脳を伸ばす
私たちの脳は、「やったのに叱られる」よりも、「少しでもやったら認められる」ことで活性化します。
これは報酬系を司る脳内のドーパミン系ネットワークの働きによるものです。
特に子どもにとって、「達成感のある行動を積み重ねる」ことは、自己肯定感や学習習慣の定着に直結します。
「なんでできなかったの?」という減点型の関わりではなく、
「ここまでできたね!」という加点型の関わりを意識するだけで、子どもは前向きなエネルギーを得ていくのです。
ご家庭で今日からできる2つの実践
「勉強」というラベルを外し、別の名前をつける
例:「知識探検」「○○タイム」「ポイントチャレンジ」など
行動を点数化し、見える形で加点していく
例:冷蔵庫やノートにシール、ポイントボード、グラフなど
お子さん自身が「今日はこれだけできた!」と自覚できる仕組みがあれば、
強制されなくても自然と学びに向かうようになります。
学びは「行動の習慣化」で決まる
勉強嫌いの子を責めるよりも、まずは「やれる形で始められる環境」をつくることが大切です。
大人がラベルを貼りすぎず、成果ではなく行動に注目して応援することで、
子どもたちは自らの力で“学ぶ喜び”にたどりつくことができます。
「できた」を点数化する。
それだけで、子どもの学びは“他人事”から“自分事”へと変わっていきます。
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