“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
なぜ子どもは勉強に入り込めないのか
うちの子、やる気がないんです」――保護者の方からよく聞く言葉ですが、私はいつもこう考えます。
やる気がないのではなく、まだ“没頭した経験”がないだけなのでは?と。
子どもたちは、好きなゲームや遊びには夢中になります。時間を忘れるような集中状態を経験したことがあるはずです。それを学びの場面で引き出すことこそが、本質的な学力向上への第一歩なのです。
フロー理論から見る「没頭」の正体
心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー理論」では、人は“今この瞬間に深く集中している状態”にあるとき、最も創造性や学習効率が高まるとされます。
このフロー状態に入るには、「課題の難易度」と「自分の能力」のバランスが重要。簡単すぎても難しすぎても没頭できません。つまり、「ちょっと難しいけど頑張ればできそう」という絶妙な課題設定が必要なのです。
BesQで実践している没頭を促す工夫
BesQでは、子どもたちがこの“没頭感覚”を体験できるように以下のような工夫を取り入れています。
ノートを取らせず、目の前の話に集中させる
難易度を細かく調整し、子どもごとに「ちょうどよい課題」を提示
解説ではなく“問いかけ”で好奇心を刺激する
このようなアプローチによって、子どもたちは「やらされている」から「もっとやりたい」に変わっていきます。
没頭がもたらす心理的変化
没頭には、自己効力感(self-efficacy)を高める効果があります。
「できた」「わかった」という小さな達成体験の積み重ねが、「自分にはできる」という感覚=自己効力感を育てます。これは、子どもの意欲や自信の土台となり、やがて自主性や粘り強さに変わっていきます。
成績は“没頭”の後にやってくる
子どもに必要なのは、叱咤激励や根性論ではありません。
まずは「集中してしまった」「気づいたら夢中だった」そんな“没頭感覚”を味わわせること。
BesQでは、学びの成果を焦るよりも、「学ぶって楽しい」と思える瞬間を最初に届けることを大切にしています。その一歩が踏み出せたとき、成績はあとから自然についてくるのです。
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